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日本マジック界の底上げと、マジックの文化土壌の実現を。

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FISM2015 現地レポート5

おはようございます。FISMに来て5日目、デックにまったく触っていないことに気がついた滝沢です。

本日はコンテストの最終日。審査の都合か、一部のカテゴリーは昨日までですべて終わっており、今日はコメディ部門とジェネラル部門のみです。レベルの高い演技が集まっているうえに衝撃と笑いが交互にくるため、長丁場でも見ていて飽きません。本日も凄い演技がいくつも飛び出しました。

その後に行われたイベントの中で、私はロブ・ザブレッキーのワンマンショーとアルマンド・ルセロのワークショップに参加しましたが、どちらもここ数年に見たワンマンショー、ワークショップの中で一番面白かった内容であり、本来はそこにページを割きたいのですが…

しかし今日は、それよりも特筆すべきことがコンテストの後半で起こりました。

コンテスト後半の一人目、グランプリ候補でもあったスペインのホアン・マヨーラルがマジックを行わず、短いスピーチを行ったあと舞台を去ったのです。その直後に会場は興奮に包まれて総立ち。数分間におよぶスタンディング・オベーションとマヨーラル・コールが行われ、コンテストの進行が一時止まる事態となりました。


この話には前段があります。
今回のFISMは地元テレビ局がスポンサーに入っており撮影もされているのですが、そのおかげでテレビ局の都合が優先された運営進行や演出になってしまった、と不満を感じた参加者やコンテスタントが多かったようです。

そんな中、ホアン・マヨーラルは自分の出番が始まると、持っていたシルクハットとウォンドを床に置き、マイクに向かって静かに、ゆっくり語り始めました。以下、その全文です。

「いま、私はマジシャンとしてこの場に立ってはいません。
 いま、私に魔法を行う力はありません。
 いま、私はとても、とても悲しい気持ちです。
 みなさんに、新しい演技を披露できないからです。
 私はマジックを愛しています。FISMを愛しています。
 しかし、TVショーとして運営されているこの状況には憂いを感じざるを得ません。
 私にとってマジックは、TVビジネスよりも大切なものなのです。
 マジックが、FISMが、劇場に戻ってきたときに、またお会いしましょう。
 ありがとうございます。」

自分たちの気持ちをよくぞ代弁してくれた、と思った参加者は多かったのだと思います。それが今回最長のスタンディング・オベーションに繋がったのでしょう。

テレビがマジックの楽しさを広めてくれ、この文化の発展に寄与してくれる面があるのも間違いありません。しかし今回の一件は、FISMのあり方に一石を投じるものとなりました。
 

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さて明日はいよいよ最終日。
授賞式の様子は Twitter でリアルタイムにお届けします。お楽しみに!

 

レポート:FISM1日目
レポート:FISM2日目
レポート:FISM3日目
レポート:FISM4日目
レポート:FISM6日目(最終回)