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翻訳裏話 第4話:ナッシング

海外のDVDメーカーで現在最も多いタイトル数を保有しているのがアメリカの L&L Publishing です。

翻訳したいタイトルが目白押しのこのメーカーには、開業当初からコンタクトをとり続けていましたがそのたびに断られてきました。ライセンス契約を結べたのは開業3年目の2010年、50タイトルほどをリリースした頃でした。

膨大なライブラリの中から何を翻訳しようかと考えたときに、まっさきに出てきたのがマックス・メイビンのナッシング。理由はいくつかあります。

  • 市場のニーズとしてメンタルマジックが望まれていた。
  • Web上で行った翻訳希望タイトルで第2位だった。
  • オリジナル版が発売されたとき「何も用意せずに近所のスーパーで10ドル程度の買い物を10分だけして、30分程度の準備時間で、50分のメンタルショーをきっちり演じる」というコンセプトが話題になった。
  • しかし購入者から「英語がわからないから結局よく分からなかった」との声をよく聞いた。
  • なんと言っても中身が面白かった!

初めにリリースするならこれだ!と勢い勇んで翻訳に当たったのですが、じわじわとこのタイトルの大変さが分かってきました。

翻訳の分量がとにかく多かったのです。

ナッシングはもともと2枚組のうえに、パフォーマンス部分には普通の音声の他に、副音声でマックス・メイビン本人のオーディオ・コメンタリーが全編にわたり収録されているのです。つまり翻訳はDVD3枚分…。

それまで月2本リリースがやっとの我々にとっては非常にタイヘンな作業量だったのです。

しかしこのコメンタリーがめっぽう面白い。パフォーマンスをする人にとって本当に貴重な内容が詰まっているのです。ここをお伝えできなければ、スクリプト・マヌーヴァをやっている意味がない!と必死に翻訳していた覚えがあります。翻訳には大阪で活躍中のバイリンガル・マジシャン Ricky.I. さんにもかなりご協力頂きました。Ricky さんにはいつも無理なお願いを快く聞いていただき、本当に感謝しています。

この他にもジャケットの箔押し仕様に四苦八苦したり、バイリンガル・チェックを普段の何倍もかけたりなど、とにかくタフな作品でした。ジャケットやメニューのデザインが文字だけだったのが唯一の救いでした…(制作が非常にカンタンなのです)。

そのおかげでご好評を頂き、2010年にリリースしたタイトルの中では売上ナンバー1となり、2014年現在でも一定量の販売数があります。ヒロ・サカイさんにも「あれはよく出してくれたね」と言っていただけ、苦労も報いも多いタイトルになりました。

スクリプト・マヌーヴァは今後も骨太のタイトルがあれば是非チャレンジしていきたいと思っています。みなさんも「これは翻訳して欲しい!」というタイトルがありましたら、ぜひご自由に声をお寄せ下さい。よろしくお願いいたします。
 

ナッシング