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日本マジック界の底上げと、マジックの文化土壌の実現を。

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The Surgical

彼の世界に触れるとき、今まで知っていると思っていたマジックの世界がまったく異なる様相を見せる。

  • 著者:北原禎人
  • レビュー: 4.5点(2件)
  • 言語:日本語
  • A5:96ページ
  • 発売日:2012年05月26日
¥4,940 税込み 在庫がありません

膨大なマジックの情報が簡単に手に入るようになった現在、多くのマジシャンたちが定型化されたイメージにとらわれたマジックを演じています。趣味としてはそれでよくとも、一表現者として、一アーティストとしてはどうか。ありふれたイメージの中に埋没することは、「その人が演じる意味」や「その人だからこその良さ」を減じることにはならないか。

北原禎人の世界は、マジシャン一人一人にその問いを力尽くで突きつけてきます。
異端であるがゆえの恐ろしさと純粋さ。野獣のような荒々しさと研ぎ澄まされたナイフの美しさ。彼の世界に触れるとき、今まで知っていると思っていたマジックの世界がまったく異なる様相を見せます。今まで慣れ親しんでいた友人が、突然人が変わったような振る舞いを始める、そんな感覚です。

そんな見知った道具を使った、しかし全く新しく感じられるメンタル・マジックの他に、今回は多くのページを割いて「感覚で解決するマジック」をいくつか解説しています。観客の心理や動きを読んで、それに合わせてこちらの行動を柔軟に変えて成立させていくような、100%できる保証が無いのに上手な人が演じると成立してしまうマジック。一見、選ばれた人にしかできないようなこの手法を、筋道を立てて理論的に解説します。

彼の世界、決して中級者にはお勧めしません。自分の価値観をしっかり持っている方は、気を引き締めて触れてみて下さい。自分の感性と彼の世界が交差する点が1つでもあれば、そこを起点としてきっと新しい可能性の広がりを感じることができるでしょう。

01.Mirinda

  • 「Needle Through Arm」の姿を一新、原案者Bruce Spangler氏より直に改案・掲載許可を頂いたスタブ現象。よりパワフルになったビジュアルと素材選択によるその追加効果。

02.PLP

  • 破れたカードの破片数十枚を紙袋の中で振ってから出して貰い裏向きになったものを除去していく、最後に残った破片が予言のピースと一致する。

03.Tommy+Arthur

  • ブックテスト+ストックホルム・シンドローム。観客が選んだページから更に選ばれた一つの単語を頭の中で思って貰うだけ、演者は後ろ向きのまま言い当てる。応用を付加。

04.Mixed Media

  • 二人の観客にESPシンボルを一つずつ書いてそれらを重ねて貰った形を読み取るプリミティブな手法、リーディングの原点に発展を加えた現象。一切の電子デバイスやカーボンなどの機構を使わずにその場の即興で出来る裏側にある構造。他人の五感の一部の機能を演者の意思で遮断する心理的技術「Gogh Lock(ゴッホ・ロック)」の解説を含む。

05.Deep Channel

  • 紙幣のシリアルナンバー当てをリビルド、「整列」という現象解釈を盛り込んだ段階を踏んだ当て方。

06.Moaner

  • 演者が後ろを向いている間に観客達が紙袋に入れた複数の持ち物を、誰が持ち主かを当てながら返して行く。抽象的なリーディングを頭の中で共感覚的に構築し、その情報から答えを組み立てていく理論と手法。

07.Pho Grille

  • 観客がシャフルした写真の束を4つに分け、それを広げて持って貰い、演者がキーワードを言いながら写真を捨てていって貰う。最後にそれぞれの手元に残った写真をショウダウンするとその4枚でしかありえない見てすぐに分かる共通性がそこに存在している。
    ※一度の質問で複数の観客の行動を一斉にフォースする「Dental Question(デンタル・クエッション)」、そして言葉の持つ曖昧性を規格調節する概念、「Verbal Gear(バーバル・ギア)」の定義・解説を含む。

08.On The Pad

  • ネイルライター(スワミギミック)で何を書いたらいいか、当てたらいいのか。単純に理由もなく2桁の数字等を当てるのではなく、どう発想するのか、に焦点を当てた作品の詰め合わせ。

09.behind THE ESSENTIAL

  • 前著「The Essential」で隠した意図、行間。触れなかった部分の補完。

10.The Surgical

  • クオリアに焦点を当てた各考察。緊張と緩和、演技のエフィカシー、文章を読み進めていく際に何を並走させるか、等いくつかの問題点にクオリアを重視する観点から光を当てた筆者の哲学の入口を簡素パッケージ。


レビュー :2件(平均4.5点)

4/5点 ちー

正直なところ、レパートリーを増やすのには向いていないかもしれません。北原さんのキャラクターがあってこそ、作品として完成していると感じるものもあったためです。ですが、作品を作るうえで北原さんが考えていること、どのような意図で作っているかということを読めるというのは大きな価値があると思います。文章は難解ですが、その端々から得るものはあると思います。

5/5点 Benjamin

本作品では、「感覚で解決するマジック」をテーマにしていますが、それがすべての作品を通じて叶えられているわけではありません。 しかし、メンタル作品に刺激が欲しい方には北原禎人という人間観は適していると思います。 よく北原さんの作品はクセのある文言によって分かりにくい、抽象的と言われますが、それこそが私に刺激を与える一因となっており、彼の見ている世界を覗き見できる大胆な作品です。

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