伝説のマジシャン、アルバート・ゴッシュマン。彼の有名なマジックをすべてフル手順で収録した永久保存版。
伝説のマジシャン、アルバート・ゴッシュマン
彼はコインやスポンジボールのマジックで有名ですが、その実観客を喰ったようなジョークを連発する、ショーマンとしても一流のマジシャンでした。
このDVDは1985年12月7日、ロンドンのケネディ・ホテルで200人のマジシャンを相手に行われたアルバート・ゴッシュマンのライブショーの一部始終が収録されています。相手がマジシャンであろうと関係なく笑わせ、ひっかけ、楽しませてしまうショーは、クロースアップのパフォーマンスとはどういうものかを教えてくれます。このDVDの制作者は後に「この忘れられない夜を記録に残せたことは非常に幸運だった」と語っています。
このコンテンツで学べるもの
マジシャンとして学べることは無数にあります。
しかし、そんなこととは関係なく、観て楽しんでいただきたいと思います。ゴッシュマンは故人であり、その名演を直接観ることは二度と叶いません。その伝説的なマジックの面白さ、凄さを、まずは知っていただきたいのです。
そのうえで、あえて何が学べるかと言えば、次の三つを挙げます。
ひとつめ。人の注意がどう動くかを、目で追えるようになります。この映像では観客の顔がしっかり映っています。ゴッシュマンが何かを言った瞬間、200人の視線が一斉にどこへ動くか。そしてその隙に何が起きているのか。それを、繰り返し確認できます。
ふたつめ。「間」の使い方が身につきます。コインが現れてから、次の言葉を発するまでの数秒。この空白が驚きを増幅させていることが、観ればわかります。多くのマジシャンは、ここを埋めようとして失敗するのです。
みっつめ。マジシャンを相手にしても崩れない、演者としての立ち位置がわかります。彼は媚びません。かといって威張りもしない。ちょっと人を食ったようなおじさんとして振る舞い、その距離感のまま最後まで観客を楽しませ切ります。
こんな方に向いたコンテンツです
- クロースアップマジックを、テーブルに座って演じる機会がある方
- ミスディレクションを、理屈ではなく実例で学びたい方
- クラシックと呼ばれる手順の「元の姿」を知っておきたい方
- 観客の笑いを取れるマジシャンになりたい方
- 平成以降にマジックを始め、往年の名人の演技を生で観る機会がなかった方
こんな方には向かないコンテンツです
- タネと手順の解説を求めている方(このDVDにレクチャーは収録されていません。ショーの記録のみです)
- すぐに演じられる新作を探している方
- 鮮明な映像でないと集中できない方(1985年に一般の観客が家庭用ビデオカメラで撮影した映像です。デジタル化していますが、画質は現代の水準ではありません)
知っておいた方が良い前提知識
ショーとして楽しむ場合、特別な知識は要りません。ただ、次のことを知っていると、観る解像度が上がります。
「コインとソルトシェーカー」は、コインが塩入れの下から次々と現れる手順です。マジック史上もっとも有名なクロースアップ手順のひとつで、多くのマジシャンがこれを見てマジックの道を選びました。予備知識としてこれだけ頭に入れておくと、冒頭からさらに楽しむことができます。
また、マジシャンとして彼の演技を観る場合も、コインマジックの基本的な技法(パーム、フォールストランスファー)などを知っている程度で十分です。ゴッシュマンが何をしているかを推測しながら観ると「いま何もしていないのに現象が起こった!」という箇所が必ず出てきます。そこが彼の本領です。
購入前の不安にお答えします
難しすぎませんか。
いいえ。むしろ、技法的には拍子抜けするほど単純です。彼が使う道具は、コイン数枚、カード、スポンジボール、そして小銭入れの金具だけ。難易度の高い技法を追う映像ではないので、初心者が観ても置いていかれません。ただし、「単純なのになぜ騙されるのか」を考え始めると、深いところまで潜れます。
似た内容のコンテンツをすでに持っています。
もし持っているのが「解説つきのコインマジック講座」なら、このDVDとは役割が違います。あちらは「どうやるか」を教えるもの。こちらは「どう見えるか」を見せるものです。同じ手順を扱っていても、学べる層が異なります。
実演で本当に使えますか。
正直に書いて、このDVDを観ても明日すぐ演じられる新しい手順は増えません。解説がないからです。
しかしその一方で、いま持っている手順の見え方は変わるでしょう。コインを置くタイミング、視線の外し方、しゃべる長さ。そういった意味では非常に「使える」内容です。
字幕はついていますか。
英語音声に日本語字幕がついています。彼のジョークの応酬も、字幕で追うことができます。
スクリプト・マヌーヴァがこれを選んだ理由
正直に言えば、商品としては扱いにくい一本です。画質は粗い。解説はない。収録時間も40分ほど。
それでも扱っているのは、代わりが存在しないからです。
ゴッシュマンは1991年に亡くなっています。彼の演技を生で観られる機会は、もう二度とありません。そして彼のミスディレクションは、「こうやってやります」と説明された瞬間に、本質がこぼれ落ちてしまうとでも言うのか、本や解説では再現できないタイプの技術です。
だから、演技をそのまま観るしかないのです。
このロンドンでの一夜は、たまたま客席にいた一人が、当時としては珍しかった家庭用ビデオカメラを持っていて、撮影の許可を得たことで残りました。狙って撮られたものではありません。偶然の記録です。
だから画質は悪い。でも、彼の完全なショーが、観客の反応ごと残っている映像は、これ以外にほとんどありません。
画質を理由にこれを世に出さないという選択肢は、私たちにはありませんでした。
アルバート・ゴッシュマンという人
もともとはニューヨーク・ブルックリンのパン屋でした。バーグルを焼くのが上手かったそうです。
第二次大戦中、軍需工場で働いていたときにコインマジックの小さな本を拾い、そこから独学が始まります。戦後はニューヨークのマジックショップを渡り歩き、1960年代初頭にカリフォルニアへ移住。1963年にはハリウッドのマジックキャッスルで演じ、クロースアップの名人として名が知られていきました。
活動初期のキャッチフレーズは「The Baker, That’s a Faker(パン屋、でもニセモノ)」。自分を茶化す呼び名であり、この感覚が彼のショー全体を貫いています。
彼はスポンジボールの製造も手がけていました。現在これほどスポンジボールマジックが広く演じられているのは、彼の影響だと言われています。1970年代から80年代にかけて世界を回り、演じながら道具を売って歩いた人でした。
ゴッシュマンについて、ある古参マジシャンがこんな証言を残しています。マジックキャッスルで彼の演技を何十回も観て、手順を一拍単位で暗記していた。それでも毎回、完全に引っかかった、と。
さらにこう続きます。晩年のゴッシュマンは関節炎で手が震え、杖を握るのもやっとの状態だった。高度な技法など使えるはずがない。にもかかわらず騙された。そこで働いていたのは、指先ではなく、観客の注意を丸ごと支配する力だけだった──。
彼は1991年に亡くなりました。この映像は、その6年前の記録です。
すべてを。フル手順で。
これは、40分の記録です。
新しい技法は覚えられません。明日のレパートリーも増えません。買ってすぐ何かができるようになる種類のコンテンツではありません。
それでも、200人のマジシャンを相手に、コイン数枚とスポンジボールだけで会場を支配した男の演技が、丸ごと残っています。彼が生きていた頃を知らない世代にとって、これは資料であり、指標です。
オリジナル版の製作会社は、この映像をこう紹介しています。「40年かけて磨いた芸を、自宅で何度も観られる。それは値段のつけようがない」と。
一度観て、種が分かって、それで終わりにもできます。でも、二度目からが本番です。三度目には、彼の手ではなく、観客の目を追うようになります。四度目には、なぜ自分の演技で笑いが起きないのかが分かってきます。
昔の名人の映像を、いつか観ようと思ったまま観られていない方は、ここから始めてみてください。





Sick89 –
どこまで考えてるのか…。本当にすばらしい。平成生まれで「クラシックなマジック」や「マジック会を牽引してきた偉大なマジシャン」を観たことがない私にとっては本当に最高の資料であり、指標でもあります。このDVDを観て「種が分かった」で見終わってしまうのは非常にもったいない。何回も何回も観て彼の繊細な動きやミスディレクションや間を盗みたいと思います。
けんちゃん –
コインとソルトシェーカーを見る為に購入。画像が粗いのと演技のみだったので★1つマイナスですが面白かったので満足です。
らっきょ –
レクチャーは収録されていないものの、マニアの方なら大筋のトリックは推測できると思います。それよりも、彼なりのユニークな演出を楽しめるだけで十分満足できると思います。
マトリックス –
解説がないが演技が見れるだけでも嬉しいです。
コインとソルトシェーカーのゴッシュマンの演技が見れただけでも大満足です。