トリックを自分らしいアクトにするためのノウハウ
どんなマジックでも自分色にする
面白いショーをするパフォーマーを見て「ああ、この人が演じればどんなトリックでもこの人色になるんだな」と思うことがあります。
モーガン&ウェストは確実にそんな力をもつパフォーマー。彼らによるマスタークラスの第2部をお届けします。
今回のテーマは「演技をあなたらしいものにするには」。
現在、不思議なトリックの情報は溢れています。
しかしこれを実際に楽しめるアクトとして演じようとする際に、どうすればいいかというのは難しい問題です。
よく言われるのが「パフォーマーとしての自分を知ること」「自分の視点を盛り込むこと」。
モーガン&ウェストもこの考えにそって自分たちのアクトを構成しています。
では具体的にその考えをどう作って、どう進めて、実際の演技に落とし込むのか?
そのためのノウハウを一挙公開します!
このコンテンツで解決できること
彼らが公開しているのは、トリックの手順ではありません。既存のトリックを、自分たちの視点とキャラクターに合わせてどう作り替えるか。その作業工程そのものです。
観るとどうなるか。
手持ちの手順を見る目が変わります。「この現象、自分だったらどういう理由でやるだろう」と考えはじめる。今まで解説どおりに演じていた手順に、自分の視点が入りはじめる。
たとえば、あなたが10年演じてきたチョップカップ。本編ではモーガン&ウェスト版のチョップカップが登場しますが、注目してほしいのは技法や手順ではなく、二人がその古典をどう自分たちの言葉に翻訳したかという判断の連なりです。同じ作業を、あなたの手順にも適用できます。
演じ終わったあとにお客さんが友人に説明するとき、「カップからボールが出てくる手品」ではなく「あの人がやってた、あのやりとり」と言われるようになる。目指すのはそこではないでしょうか。
このコンテンツで得られるもの
- 自分のキャラクター設定を、選曲・小道具・現象の選択にまで一貫させる考え方
- 古典手順を「自分の理由」で組み直すための具体的な工程
- 開演前から観客を世界観に引き込むための、舞台まわりの準備の考え方
- 自分の演技を客席側から見直すための視点
こんな方に向いています
- レパートリーはあるのに、演技が自分のものになっていないと感じている方
- パーラー、ステージ、サロンで人前に立つ機会がある方
- 古典手順を自分流に組み直したい方
- キャラクターや世界観の作り方を、感覚ではなく手順として知りたい方
- コメディマジックの「笑いの設計」に興味がある方
こんな方には向きません
- すぐに演じられる完成された手順が欲しい方
- マジックを始めて間もない方(基礎技法の解説は入っていません)
- 解説どおりに再現することを目的にしている方
- 小道具の製作や工夫に一切時間をかけたくない方
正直に書くと、彼らのマジックは強固なキャラクターの上に成り立っています。そのまま真似ようとしても、あなたと彼らではキャラクターが違うため、うまく機能しないでしょう。「買ってすぐ演じられる」種類のコンテンツではありません。
そのかわり、ここで語られている考え方は、あなたが今持っている手順すべてを変えてくれます。
知っておいた方が良いこと
パーラーやステージでの演技経験があると、話が具体的に響きます。クロースアップ専門の方でも考え方は応用できますが、想定されている演技環境は「ある程度の人数を相手にした部屋」です。
この作品は、Vanishing Inc.が主催したオンラインレクチャーのうち、第2週目を日本語化したものですが、第1部とはテーマが異なるため、これだけ観ても内容は理解していただけます。
モーガン&ウェストについて
リース・モーガンとロバート・ウェストによる、イギリスのマジックデュオです。
彼らの特徴は、設定の徹底ぶりにあります。19世紀から来たタイムトラベラー。この設定を衣装や口上だけで済ませず、どの現象を演じるか、どんな音楽をかけるか、どのタイミングで客席に入るかという判断すべてに反映させています。開演前、客席に人が入ってくる段階から、すでに彼らの世界が始まっている。
収録されているルーティンはすべて、イギリスの劇場公演で長年かけて磨かれたもの。机上の理論ではなく、客前で削られ続けた結果です。
その考え方の部分を、本人たちが直接語っているのがこのマスタークラスです。
購入前に気になること
難しすぎませんか
技法の難易度は高くありません。この作品の難しさは、指ではなく頭のほうにあります。「自分は何者として舞台に立つのか」を考える作業は、ダブルリフトの練習より時間がかかるかもしれません。ただ、その作業に取り組んだ経験は、これまで手に入れたどのコンテンツの価値も上げてくれます。
特殊な道具が必要ですか
3つの演技には、それぞれ専用の準備が必要です。スケッチブック、チョップカップ、通常のデック。市販品で揃うものもあれば、自分で作る必要があるものもあります。ただし、この作品の主眼は「その3つを演じること」ではなく「作り方を学ぶこと」なので、道具を揃えなくても中身は十分に受け取れます。
すでに似たコンテンツを持っていても役立ちますか
「キャラクターが大事」という話はどこでも聞きます。この作品が違うのは、そこから先を具体的に見せている点です。設定を決めたあと、実際にどの現象を捨て、どの台詞を書き換え、どこで相方に仕事を渡すのか。抽象論ではなく、二人が実際に通った工程が並んでいます。
実演で本当に使えますか
3つの演技は、イギリスの劇場で実際に演じられてきたものです。ただ、繰り返しになりますが、そのまま演じるには彼らのキャラクターを借りることになります。大切なのは、手順を借りるのではなく作り方を借りること。それこそが、パフォーマーとしてのあなたを形作ってくれるのです。
スクリプト・マヌーヴァがこれを選んだ理由
私たちは「マジック界の底上げ」を掲げています。
底上げというのは、新しい現象が増えることではありません。演じる人が増え、その一人ひとりの演技が「その人のもの」になっていくことだと考えています。
マジックの解説は、探せばいくらでもあります。でも「どうやって自分のものにするか」を、実例つきで最後まで語ってくれるコンテンツは多くありません。モーガン&ウェストは、それを出し惜しみせずに話しています。自分たちの設定がどこから来たのか、どの判断でどれを捨てたのか。ふつうは表に出さない部分です。
これをぜひ紹介したいと思い、翻訳を行いました。
最後に
このコンテンツを観ても、明日すぐ演じられる新しい手順は手に入りません。手に入るのは、今持っている手順を見直すための物差しです。
「なんとなく良さそうだから」で選んでいた曲や、台本に書いたまま一度も疑わなかった台詞。それらに理由をつけていく作業が始まります。地味です。でも、その作業を終えた演技を観た観客は、あなたの名前を覚えて帰ってくれることでしょう。
手順を集める段階から、自分の演技を作る段階へ。その切り替えのきっかけとして、この一本をおすすめします。
パフォーマンス例とその背景
今回もノウハウを説明する好例となるパフォーマンス3種類を収録。それぞれの演技の後で、マジックの解説はもちろん、どのようにしてそれを自分たちらしく作り上げていったかを語ります。その中には全パフォーマーが参考にすることができる一般的なノウハウがたくさん詰め込まれています。
このマスタークラスは、解説したマジックを視聴者がそのまま演じることは想定していません。
それよりも、ご自分の演じたいトリックを、どのように自分らしくアレンジするのかという説明に重点をおいています。
あなたらしい唯一無二の演技を作るためのノウハウをぜひ学んでください!





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