全マジシャン待望、27年ごしの名著続刊!
ガイ・ホリングワースの広がる世界
ガイ・ホリングワース。
独特のタッチと、息をのむようなビジュアルなカードマジックで、多くのマジシャンに影響を与えてきた天才です。
彼の著書『Drawing Room Deceptions』は、今なお名著として高く評価されています。
そして――27年ぶりとなる続刊が、ついに登場。
カードの名手は、道具が変わってもやはり名手でした。
ホリングワースが新たに切り拓いた世界を、ぜひご覧ください!
本書で学べること
ホリングワースが本書の序文ではっきり書いていることがあります。自分がやりたいのは「物理的なマジック」だ、と。物が現れ、消え、変わり、移動する。
彼はこうも指摘します。「選ばれたカードを言い当てる」「言われた枚数目からカードが出てくる」——カードマジックのかなりの部分は、実は頭の中だけで起きている出来事に過ぎない、と。
本書に収録されているのは、目の前で本当に「物理現象が起きるマジック」です。
カードももちろん収録。しかし、それだけではありません
ガイ・ホリングワースをご存じなら、彼が手を自然な形のまま保てるラテラルパームを愛用していることもご存じだと思います。
これの詳細なコツを解説。指を丸めた「いかにも」な手ではなく、下ろした手のまま歩ける。パームする瞬間、そしてそのあとの時間が怖くなくなります。
小物をすぐロードできる状態で両手を完全に見せられる「フラッピング」も解説。テーブルのないパーティー会場で、糸くずがボールに変わり、ナプキンが破れて元通りになる。サロンやウォークアラウンドで演じる方には、レパートリーの前提そのものが変わる技法です。
カード以外の武器も増えるでしょう。コインだけで一章分あります。コインが消え、変わり、そして少しずつ大きくなっていく手順まで。ロープ、紙ナプキン、指輪、名刺、そしてカップ・アンド・ボール。
どれも素材のクラシックさに「なんだ…」とは思わないで下さい。すべてにガイ・ホリングワースタッチが埋め込まれ、より不思議な、より上質な手順とテクニックがこれでもかと紹介されます。
こんな方に向いたコンテンツです
- スライハンドで勝負したい方。技法を練習する時間を惜しまない方
- 立ち仕事(パーティー・ウォークアラウンド)が多く、レパートリーに困っている方
- パームを覚えたものの、手が不自然になるのが気になって実演で使えていない方
- 演じる場所の空気ごと作りたい方。服装や佇まいまで含めて自分の芸を考えたい方
- 前作『Drawing Room Deceptions』を読んで、続きをずっと待っていた方
こんな方には向かないコンテンツです
- メンタリズム中心の方。予言・読心の手順はほぼありません。著者自身が「そこは自分の畑ではない」と言い切っています
- 練習せずにすぐ演じられるものを探している方。本書の技法は、どれも手の訓練を前提にしています
- 道具が仕事をしてくれるマジックを求めている方。仕掛けを買って箱から出せば演じられる、という種類の内容ではありません
- カードマジックの基礎技法(ダブルリフト、ブレイク、基本的なコントロール)に不慣れな方。ここは次の項目で補足します
知っておいた方が良い前提知識
基本的なカード技法や小物のフェイクパスをひと通り触ったことがある方が、より楽しめるでしょう。マジックの基本から解説される本ではないので、まったくの初心者にはハードルがあります。
逆に言えば、それ以上の特別な予備知識は要りません。コインの章もパームの基礎から扱われますし、カップ・アンド・ボールも一から手順が組まれています。
前作を読んでいる必要もありません。前作を持っている方が嬉しい発見は多いのですが(後述します)、本書だけで完結して読めます。
道具については、ほぼすべて普通のデックと日常品です。
ガイ・ホリングワースについて
1990年代の終わり、マジック界に「破ったカードを、繋ぎ目なく元に戻す」という手順を持った青年が現れました。『リフォーメーション』です。当時24歳。マイク・ケイブニー(本書の共同出版者)は、初めてそれを見せられたときの気持ちをこう書いています。「こいつは何者だ?」
そこから27年。前作『Drawing Room Deceptions』は9版を重ね、カブニーは今回の序文でこう書いています。「今日、マジック界の誰もがガイ・ホリングワースを知り、そして敬服している」
面白いのは、彼の本業です。ロンドンの法廷弁護士(バリスター)。その仕事を続けながら、クラシックの再創造だけで構成されたステージアクトを作り上げ、マジックキャッスル、ブラックプール、ラスベガスと渡り歩いてきました。
彼は明確な美学を持つマジシャンです。前作は1900年頃のアール・ヌーヴォーを意識して作られました。今作が意識しているのは、その25年後に立ち上がってくるアール・デコとフィルム・ノワールの空気です。著者本人が「つまり私は、一貫して100年ほど時代遅れであり続けている」と書いています。この自嘲が、そのまま彼の芸のスタイルにも反映されています。
買う前に気になること
難しすぎませんか。
技法としては簡単ではありません。ただ、本書の構成は「難技法の見本市」ではなく、ひとつの技法を軸に章を立て、その技法が生きる手順を並べる形になっています。ラテラル・パームなら第1章の中で使い道が繰り返し出てきます。ひとつ身につけるたびに、演じられるものが複数増えていく作りになっています。
特殊な道具は必要ですか。
デックやコイン、ロープやカップ&ボールなどを使いますが、ほとんどレギュラーしか使いません。著者は序文で、安いプラスチックのケースから特殊カードを出して演じるパケットトリックを増やすつもりはない、と明言しています。あ、クリップ(一般的な文房具)は使います。
前作を持っていても意味はありますか。
むしろ、前作を持っている方ほど発見があります。例えば前作でホリングワースが提示した「デュアル・リアリティ」は、当時「誰かがもっと使ってくれれば」と願う形で残されました。27年後、彼はその先の世界を提示します。本書の「シュレディンガーズ・カード」では「トリプル・リアリティ」のアイデアが提示されます。
そして、前作を「カードの本」として記憶している方には、今作の中身は意外に映るはずです。カップ・アンド・ボール、プロフェッサーズ・ナイトメア、紙ナプキンの復活、そしてコインの一章。ケイブニーも序文で、そこを「意外に思い、そして喜ぶだろう」と書いています。
実演で本当に使えますか。
第4章がまるごとその答えです。章題は「商業的な現場へおそるおそる踏み込み、ワーカーについて考える」。破った名刺の復活、指輪と箱が入れ替わる「ザ・リング・フォ・パ」、ロープの「ストリング・ギャグ」。中でも「あがり症の人のためのオープナー集」という並びは、現場に立つ人ほど刺さるはずです。最初の30秒をどう作るか——ここに悩んでいない演者を、私は見たことがありません。それはガイ・ホリングワースにしてもそうだったのです。
スクリプト・マヌーヴァが選んだ理由
私たちが翻訳する基準は、ずっと同じです。「これは日本語で読めたほうがいい」と思えるかどうか。
この本には、二つの意味でそれが当てはまりました。
ひとつは中身。ラテラル・パーム、フラッピング、ファントム・カウント、トップレス・チェンジ——どれも、日本ではまだほとんど共有されていない考え方です。技法がひとつ広まると、その技法を土台にした新しい手順が国内でも生まれます。そういったアイデアの連鎖が「マジック界の底上げ」をしていくことでしょう。
英語で読める人が一部だけ手にする本ではなく、練習する気のある人全員が手にできる本にしたい。そう考えて、翻訳することにしました。
最後に
この本は、あなたのマジックを速く上達させる本ではありません。ここに載っている技法は、どれも練習する時間を要求してきます。
そのかわり、身につけたものは長く残ります。ラテラル・パームは、あなたが今持っている手順にも使える。フラッピングを覚えれば、テーブルのない現場が怖くなくなる。ファントム・カウントは、あなたが自分で新しい手順を考えるための土台になります。ホリングワースが27年かけて磨いたものは、そういう種類の道具です。
そして本書の最後には、著者の思考そのものが置かれています。同じテーブルを囲んだ観客が、それぞれ違う世界を見ている。ステージ上の一人と、カードを選んだ人と、それ以外の全員。三者が別々の現実を体験し、しかし全員が等しく困惑して終わる。カブニーが「トリプル・リアリティ」と呼んだこの構造は、解説を読んでも背筋が伸びます。
ホリングワースは序文で、自分には語るべき理論も原理もない、と書いています。ただ「楽しいからマジックをやっている。だから自分が楽しいマジックをやる」と。その徹底が27年でどこに行き着いたのか。それを見届ける一冊です。
前作とのセット販売もご用意!
歴史に残る名著『Drawing Room Deceptions』(日本語版:定価10,000円税抜)を、まだお持ちでない方へ。
今回、新刊との特別セットもご用意しました。
販売元に残っていた最後の在庫を確保。これが『Drawing Room Deceptions』日本語版を新品で手に入れる、最後のチャンスとなります。
限定20セット。
27年の時を隔てた二冊を、ぜひ揃えてお楽しみください。



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