ラスベガスのアート・ディレクターがプロフェッショナルの視点で語る、パフォーマンスのポイント。
ステージマジックの演技を考え、組み立て、洗練させるために
真剣に自分のパフォーマンスを作り込もうとする方、自分の演技を次のレベルに引き上げたい方へ向けた、プロ志向の舞台指南書となります。
主な内容は以下の通り。
・自分に合う素材/題材の選び方
・自分の強みを見つける
・自分のアクトのどこに注目すべきか
・ルーティン構成のしかた
・表現力のある動きの引き出しを増やす
・振付と小道具の関係
・アシスタントに関して
・拍手のもらい方
・ルーティン間のスムーズな移行
・ムーブメント・エクササイズ
・印象的なシーンの作り方
・適切な音楽の選び方
・宣材写真やプロモーションビデオ、台本について
など
代わりに、こんな問いに答えます。
その手順は、本当にあなたに合っている題材なのか。今の動きは、何のためにその方向へ動いているのか。観客の視線は、いまステージのどこにあるのか。拍手は、どのタイミングで、どう取りに行くのか。
デビッド・カッパーフィールドを支えた著者
解説するのは、ジョニー・スピナ。デビッド・カッパーフィールドのショーで、11年以上にわたって振付師・アーティスティックコンサルタントを務めた人です。うち8年はリードダンサー兼アシスタントとして、あの舞台に自分自身が立っていました。
つまり、演出する側と、演じる側の両方を知っている。
彼女が関わってから、カッパーフィールドのショーの動きと空気は大きく変わったと言われます。あの、照明が落ちた瞬間から観客が息を呑む感じ。あれは偶然できたものではなく、設計されたものだった。その設計図を、マジシャン向けにそのまま開いて見せたのが、この一本です。
観終わったあと、何が変わるか
いちばん大きいのは、自分の演技を見る「目」が変わることです。
これまで「なんとなくダメ」としか言えなかった部分に、名前がつきます。ここは動きの意図が抜けている、ここは観客の視線が散っている、ここは拍手の合図を出し忘れている、など。
原因に名前がつけば、直せます。
そして、こんな自分に気付くようになるでしょう。
出番前、袖でどう立ち、どう歩き出すかが決まっているので、一歩目から落ち着いている。
現象が終わった瞬間、こちらが何も言わなくても客席から拍手が起きる。これは合図の出し方を知っているからです。
手順は前と同じなのに、演技のあとで友人に「なんか、前と別人みたいでしたね」と言われる。
コンテスト後の講評で、審査員が構成の意図をきちんと読み取ってくれる。伝わるように組んであるからです。
新しい手順を覚えなくても、今持っているアクトのままで起こる変化です。ここが、このコンテンツの価値だと思っています。
こんな方に向いています
- ステージ、サロン、コンテストで人前に立つ機会がある方
- 手順は完成しているのに、演技が地味に見えるのが悩みの方
- 自分の演技を録画して見返す習慣がある、またはこれから作りたい方
- コンテストで結果を出したい、審査員に構成を読み取ってほしい方
- アシスタントと組んで演じている、またはこれから組む予定の方
- イリュージョンやマニピュレーションなど、体の動きが大きく見える演目をされる方
- 演出を人に相談できる環境がなく、独学でどうにかしてきた方
こんな方には向きません
- 新しいトリックやタネを知りたい方(この中に手順解説はありません)
- 完全にクロースアップ専門で、今後もテーブルの前から動く予定がない方(考え方は応用できますが、実例はすべてステージです)
- 今週末の本番までに、すぐ効く小手先の対処法が欲しい方
- 自分の演技を客観的に見るのがつらく、避けたい方(悪い例の指摘は、なかなか痛いです)
- タネさえ不思議なら演出は二の次、という考えの方
正直に書いておくと、価格も安くはありません。手順が一つも入っていないコンテンツにこの金額、と思われるのは当然だと思います。ただ、実際に購入された方のレビューにも「お値段が高いですがやはりそれに見合う価値のあるDVDである」という声があります。
知っておいたほうがいい前提
必要なのは、ステージに立った経験がある、あるいはこれから立つ予定がある、ということだけです。
ダンスや振付の経験は要りません。むしろ「体の動かし方を習ったことがない人」に向けて話が進みます。
技法のレベルも問いません。フェイクパスができなくても、リンキングリングが得意でなくても、内容は同じように役立ちます。逆に言えば、基礎的な技術練習の代わりにはなりません。
演技を録画できる環境があると、効果は跳ね上がります。スマホで十分です。観る前と観たあとで自分の演技を撮って比べる。これをやった人とやらない人で、身につき方がまったく変わります。
ジョニー・スピナという人
アメリカのダンサー、振付師、演出家、そしてマジシャン。
デビッド・カッパーフィールドの黄金期、テレビで何度も観たあの代表的なイリュージョンの数々を、彼女は演出し、自ら演じました。その後は自身のレビュー「The Women of Magic」をアトランティックシティで上演し、フラミンゴ・ヒルトンの長期公演「Carnival of Wonder」(マーク・ケイラン&ジンジャー、ジェフ・ホブソン出演)の演出も手がけています。MAGIC誌でコラムも連載していました。
海外のマジシャン同士が「振付や身体の使い方を学びたい」と相談し合うRedditのスレッドでも、この作品は今も名前が挙がります。MAGIC誌でも取り上げられた、プロ志向の定番として知られる一本です。
買う前に気になること
難しすぎませんか。
理論書のような難解さはありません。実例が豊富だからです。ラスベガスで活躍していたプロマジシャンたちの実演映像を題材に、「ここがいい」「ここがもったいない」と具体的に指摘していきます。ベッキー・ブラニー、コニー・ボイド、ジェイソン・バーン、クリストファー・ハート、ジェフ・ホブソン、マーク・ケイラン&ジンジャー、ティム・コール、ジェニー・リン、ロコ、アシュレイ・スプリンガー、スペンサーズ、マルコ・テンペストなど。映像で見て、耳で聞くので、抽象論で迷子になりません。
特殊な道具は要りますか。
一つも要りません。今あなたが持っているアクトが、そのまま練習材料になります。
すでに演技論のコンテンツを持っていても役立ちますか。
演技論の多くは、クロースアップやパーラーの「話し方」「間」に軸足があります。この作品の軸足は、ステージの「体」と「絵」です。どこに立ち、どちらを向き、いつ手を挙げ、照明の中でどう見えるか。この領域を正面から扱った日本語のコンテンツは、今も多くありません。
本番で本当に使えますか。
購入者のレビューに、こんな一文があります。「悪い例で自分と同じような静止アピールが解説されていてショックを受けましたが、改善方法が丁寧に説明されていたので今後の演技にいかせそうです」。自分の癖が名指しされ、その直し方まで示される。使えるかどうかの答えとしては、これがいちばん正直なところだと思います。
スクリプト・マヌーヴァが選んだ理由
マジックには「何をやるか」と「どう届けるか」という二つの軸があります。
前者を教えてくれるコンテンツは、毎日のように出ます。後者を、しかもステージの身体の使い方まで踏み込んで教えてくれるものは、驚くほど少ないものです。
私たちは「マジック界の底上げ」を掲げています。底上げというのは、新しいタネが増えることではなく、同じタネでお客さんがもっと喜ぶようになることだと考えています。
日本にはステージマジックの技術水準が高いマジシャンがたくさんいます。ただ、その技術が舞台の上で正しく光っているかというと、もったいないケースを何度も見てきました。あと一歩の「見せ方」で、評価が変わる人がいます。
その一歩を渡してくれる人として、カッパーフィールドの舞台を内側から作った本人以上の適任はいないと思いました。
最後に
このDVDを観ても、明日いきなり拍手が倍になるわけではありません。
やることは地味です。自分の演技を撮る。指摘された観点で見返す。立ち位置を一歩変える。動きに理由をつける。その繰り返しです。
しかし、その地味な作業のあとに、ステージの上で「あ、いま伝わっている」という手応えが返ってくる瞬間があります。客席の空気が、こちらを向く感じ。あれを一度でも味わうと、マジックの練習が別の楽しさに変わります。
3件のレビューはすべて5点満点。そのうちの一つは、こう締めくくられています。「もっと早く観たかった」。
自分の演技を、そろそろ次の段階に持っていきたい。そう思われているなら、ここから始めるのが近道だと思います。






太郎 –
プロの演技、引きつけられる魅力的な演技をするために必要な知識がレクチャーされています。
これを観れば確実にステージの演技が向上します。お客さんの受けや、自身が身につくでしょう。
悪い例で自分と同じような静止アピールが解説されていてショックを受けましたが、改善方法が丁寧に説明されていたので今後の演技にいかせそうです。
もっと早く観たかった。
マトリックス –
限定100セットの時に予約して購入しました。この時はまだ理論のDVDや本があまり出回ってなかったので新鮮で感激しました。ステージングの奥深さを学ぶことができました。
シギ –
こちらは主にステージマジシャン対象のDVDです。ジョニー・スピナー氏がどうすれば演技を作り込めるか演技を良く出来るかについて徹底的に解説しております。例が豊富なので見ていて非常にわかりやすいです。まだ途中までしか見ておりませんが目線等ステージマジックの基本的な部分も解説されており、なぁなぁでやっていた部分の見直しにもなりました。お値段が非常に高いですがやはりそれに見合う価値のあるDVDであると思います。