観客が自由に選んだ4枚が、あらかじめ観客の指定したカードだった…
しかも、そこに手法の気配すら見せなければ、それは「完全な奇跡」に昇華します。
今回ご紹介するエース・レースは、まさにその典型。
観客が心から「不可能だ」と感じる瞬間を、レギュラーデックで再現できる優れた作品です。
そして、あなた自身も演じながら、練習しながら、裏のテクニックの楽しさに浸ることができるでしょう。
◆ 現象概要(すべて観客の選択に見える)
観客に「好きな数字(例:7)」を言ってもらう(一切のフォース無し)。
その数字に該当するカード(例:7の4枚)を取り出して脇に置く。
残りのデックは観客自身の手で、テーブル上でかき混ぜるようにしてよく混ぜてもらう。
バラバラになった山の中に、先ほどの4枚を適当に戻し、さらにかき混ぜる。
マジシャンは山に触れることなく、「これだと思う4枚」を観客自身に取って渡してもらう。
その4枚が──まさに最初に選ばれた4枚なのです。
◆ 特徴と応用
フォース一切なし。観客が完全に自由に選ぶため、「当たった」ではなく「起きるはずのないことが起きた」と錯覚する。
即興性と正当性の極致。技法も巧妙で、練習すればするほど惚れ込む設計。
シンプルなだけに応用は無限。例えば、観客の誕生日の日付を4枚で表現したり、あらかじめ提示した予言カードと一致させたりと、演出の自由度も高い。
なぜ、プロがこの作品を絶賛するのか?
それは、「手法」ではなく「観客」と「現象」が主役だから。
観客はカードを選び、混ぜ、差し出す──すべて自分の手で行ったと思い込んでいます。
それなのに、あなたの望むカードだけが現れる。
このコントロールされたカオスの中に、マジックの核心があります。
レビュー
レビューはまだありません。