アニバーサリー・ワルツ ドク・イーソン

「サインされた2枚のカードが1枚にくっつく」。この強烈なマジックを、5人の名手がそれぞれの特徴あるバリエーションを解説。

特定のテーマごとに、現存する最も優れた手順が集められた、すべてのマジシャンが持っておくべき本

これがワールド・グレイテスト・マジック・シリーズにこめられたコンセプトです。シリーズの各巻が、理想の解説書籍の1つの章。最高のマジシャンたちがそれぞれの工夫を加えて考案した、歴史に残る名作をテーマごとに収録しました。観る人のレベルに関わらず、マジックを愛する人たちに捧げられた、マジックの本質を見ることができるシリーズです!

シリーズの中から今回はロマンチック・マジックの傑作、アニバーサリー・ワルツをお届けします。

「何かを魔法で別のものに変え、それを観客の手元に残すこと」

これはマイケル・アマーが記憶に残るマジックの条件としてあげた条件です。プレゼントされたものが観客の宝物になるという点で、アニバーサリー・ワルツに勝るマジックは滅多にないでしょう。観客が選び、サインした2枚のカードが1枚にくっつくのです。ノリで貼られているわけではなく、本当に1枚のカードになってしまうのです!

クリストファー・カーターが作り出し、ドク・イーソンが現実的な手に改案したこのマジックは、現場で活躍する世界中のマジシャンたちのレパートリーになっています。ドク・イーソンの原案の他に、4人のマジシャンのバリエーションを解説。

こんな方に向いたコンテンツです

  • 結婚式、二次会、記念日パーティーで演じる機会がある方
  • テーブルホッピングやレストランマジックで、カップルのお客さんを担当することがある方
  • 「驚かせる」だけでなく「覚えていてもらう」マジックを探している方
  • すでにアニバーサリー・ワルツを演じていて、あらためや受け渡しの精度を上げたい方

こんな方には向かないコンテンツです

  • ギミックを一切使いたくない方。基本の手順にはダブルフェイスカード(表と裏が別々のカードになっているもの)が必要です。ただし収録されている5手順のうちカール・アンドリュースのものはレギュラーカードで演じられます
  • カードマジックを一度も触ったことがない方。デックの基本的な扱いが前提になります
  • サロンやステージで、遠くの客席に向けて演じる演目を探している方。これは相手の手元が見える距離のマジックです

知っておいた方が良い前提知識

基本的なカードマジックを演じられれば、特別な予備知識は必要ありません。

必要になるのは、次の2つです。

1つ目、ダブルフェイスカード。マジックショップで手に入りますし、作ることもできます。演じるカードの組み合わせを決めておく必要があります。

2つ目、油性ペン。観客にサインしてもらうためのものです。カードの表面にきちんと乗るペンを選んでください。

解説している5人のマジシャンについて

このマジックの出発点は、クリストファー・カーターのアイデアでした。それを現場で使える形に磨き上げたのが、ドク・イーソンです。

ドク・イーソンは、アメリカ・コロラド州アスペンのバーで20年以上にわたってマジックを演じ続けてきた、バーマジックの代名詞のような存在。酔った客、騒がしい店内、逃げ場のない至近距離——そういう環境で生き残った手順だけが、彼のレパートリーに残っています。本人はこのマジックを「人類が知る中で最も強いカードマジック」と表現しています。

J・J・サンベールはフランスのマジシャン。ヨーロッパのクロースアップシーンで長く活躍してきた人です。

カール・アンドリュースはアメリカのプロマジシャンで、テーブルホッピングの現場を知り尽くした実務家。彼の改案は、その経験がそのまま形になっています。

ギャレット・トーマスは、マジシャンが集まる場所で必ず名前が挙がるテクニシャンです。彼のバージョンについて、海外のレビュアーは「カードを改める手順とその技法が、選択と提示の段階でもう一段階深い錯覚を生んでいる」「テーブルがなくても、立ったまま演じられるのが実用的だ」と評価しています。長年ドク・イーソン版を演じてきた人が、ギャレット版に乗り換えるケースもあります。

エティアン・プラディアはフランス出身、イギリスを拠点に活動するプロ。彼が担当するのは、笑いを含んだ演出です。

購入前の不安にお答えします

難しすぎませんか?

技法の難度でつまずくタイプのマジックではありません。カードの扱いに多少慣れていれば、現象そのものは早い段階で形になります。時間をかけるべきなのは指先の訓練ではなく、2人の観客をどう扱うか、カードをどのタイミングでどう渡すか、という段取りのほうでしょう。5人がそれぞれ違うアプローチを見せてくれるので、自分に合うものを選べます。

特殊な道具が必要ですか?

はい、必要です。基本の手順にはダブルフェイスカードを使います。ただし、マジックショップで普通に入手できますし、演じるたびに1枚渡してしまうので消耗品と考えて、あらかじめ何枚か用意しておく形になります。そして前述のとおり、カール・アンドリュースの「フラ・フュージョン」は、片方を表面に、もう片方を裏面にサインさせるという発想で、レギュラーカードでの実演を可能にしています。「今日はギミックを持っていない」という日でも演じられる保険になります。

すでにアニバーサリー・ワルツを知っていても役立ちますか?

このコンテンツの価値は、まさにそこにあります。1つの現象に対して5通りのアプローチが並んでいる構成なので、すでに演じている方ほど比較から得るものが多いでしょう。たとえばサンベール版は、まず表同士をくっつけて見せ、いったん分離させてから、あらためて背中合わせに融合させます。同じ結末に向かうのに、途中の道のりがまるで違います。ギャレット・トーマス版は、2枚を重ねる直前のあらためをどこまでクリーンに示せるかを突き詰めています。自分の手順の弱い部分を、他の解決策で埋められます。

本当に実演で使えますか?

このマジックは、1965年にウェズリー・ジェームズが「Forgery」として発表した手順まで遡る系譜を持ち、以来60年近く、世界中のプロのレパートリーに残り続けてきました。海外のレビューサイトでは、マイケル・シーゲルが「これまでに作られたカードマジックの中で最高のものの1つ」として10点満点中10点をつけています。長く残っているマジックには、残っているだけの理由があるのです。

スクリプト・マヌーヴァがこの一本を選んだ理由

ワールド・グレイテスト・マジック・シリーズは、「1つのテーマについて、現存する最も優れた手順を集める」という考え方で作られています。1巻が、理想のマジック解説書の1章にあたる。そういう設計です。

このシリーズを翻訳して思うのは、同じ現象を5人が別々のアプローチで迫る過程そのものが、いちばんの学びになるという点でした。ある人は技法で、ある人は演出で、ある人は道具の設定を変える。解答を5つ並べてもらうと、その現象の何が難しくて、何が急所なのかが立体的に見えてきます。

アニバーサリー・ワルツを選んだのは、これが「不思議」と「感情」が両立している数少ないマジックだからです。マジックは技術が上がるほど、不思議さの純度を追いかけたくなります。でも観客が家に帰ってから話すのは、たいてい不思議さのほうではなく、そのとき自分がどう感じたかのほうなんですよね。

両方を一度に手に入れられる演目を、日本語で読める形にしておきたかった。それがこの一本を選んだ理由です。

最後に

このマジックを演じたマジシャンは、ほぼ例外なく同じことを言います。「あの反応は、他のマジックでは起きない」と。観客がくっついたカードを覗き込んで、顔を見合わせ、それから小さく「え……」と言う。そこから先は、もうマジシャンの出番ではありません。

そして数年後、そのカードはまだ観客の手元に残っているのです。

不思議なだけのマジックは、その場で終わります。手元に残るマジックは、終わりません。あなたのレパートリーに、そういう一本を。

収録内容

  • アニバーサリー・ワルツ(ドク・イーソン)

    原案にして基準点。2人の観客が選んでサインしたカードが、背中合わせにくっついた1枚になります。世界中にフォロワーを生んだ手順を、20年以上バーで演じ続けてきた本人が解説。まずはこれを覚えれば、明日から演じられるレパートリーが1つ増えます。

  • カード・フュージョン(J・J・サンベール)

    最初に表面同士をくっつけて見せ、いったん分離させてから、今度は背中合わせに融合させる手順。現象を二段構えにすることで、観客の驚きを2回つくります。盛り上がりの山を自分で設計するという発想が身につくと、他のマジックの構成にも応用が効きます。

  • フラ・フュージョン(カール・アンドリュース)

    1枚は表面に、もう1枚は裏面にサインさせる。この一手で、レギュラーカードでの実演を可能にした手順です。ギミックの準備なしにこの現象が出せるようになると、「今日はできない」という日がなくなります。

  • アニバーサリー・ワルツ(ギャレット・トーマス)

    2枚のカードを重ねる直前のあらためを、どこまでクリーンに示せるか。その一点を徹底的に突き詰めた手順です。海外レビューでは「選択と提示の段階でもう一段階深い錯覚がある」と評価されています。自分の手順の中で「ここが少し怪しい」と感じている一瞬があるなら、その答えはここにあるかも知れません。

  • ウェディング・テスト(エティアン・プラディア)

    軽さと笑いを盛り込み、強烈な現象とプレゼントで締めくくる手順。結婚式や二次会のように、場が明るくにぎやかな状況でどう見せるかの答えです。しんみりした演出だけでなく、笑わせてから驚かせるルートを持っておくと、呼ばれた現場の空気に合わせて演じ分けられるようになります。

アニバーサリー・ワルツ

演者 ドク・イーソン
J・J・サンベール
カール・アンドリュース
ギャレット・トーマス他
翻訳 英語(日本語字幕)
発売日 2012年3月30日
形式 DVD
(3 件のレビュー)

¥2,530 (税込)

「サインされた2枚のカードが1枚にくっつく」。この強烈なマジックを、5人の名手がそれぞれの特徴あるバリエーションを解説。

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この商品に関する質問と回答

    アニバーサリー・ワルツ に対するレビュー3件

    1. taiyou –

      これだけ見ている人にインパクトと感動を与えることができるマジックはなかなかないのではないかと。実演してのウケはすごく良いです。
      しかもそんなに難しいというほどでもない。そんなアニバーサルワルツをたくさん味わえるDVD。このお値段で覚えられるなら絶対買いです。

    2. らっきょ –

      テレビでもよく見かける言わずと知れた名作ですが、このDVDで初めて見た演目がいくつかあり勉強になりました。このマジックを知っている人も知らない人にもおすすめです。

    3. マトリックス –

      カップルには鉄板のアニバーサリーワルツ。
      ドクイーソンの手順がおすすめです。

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