ラッピングの分野を網羅し、さらに新しい視点も開拓する決定版!
ラッピング。
ここにここまでの可能性があるとは想像できませんでした.
理屈は単純です。膝の上に密かに物を落とす。膝の上のものを密かに取る。すぐ思いつくのは「物を消す」「物を出す」「それをテクニックでいかに上手に行うか」ですが、その単純な原理が非凡なマジシャンの手にかかるとどこまで拡大させられるかをまざまざと見ることができます。
ダニ・ダオルティス
膝の使い方に起こるパラダイム・シフト
これはビジュアルなテクニックをいかに上手に行えるようになるか、に主眼があるDVDではありません(もちろんそれを期待して観たとしても、十分以上に満たされるはずですが)。この原理でなし得ることがどれだけ広く、未開拓であり、未知の可能性に富んでいるかを思い知らされます。ここで解説されているテクニックや手順だけでも目から鱗が落ちるような内容ですが、さらに恐ろしいのはラッピングが持つ可能性がスペインのマジック界ではかなり研究が進んでおり、ここに収録されたのはほんの上澄みであることが伺えること。この分野の最先端と、そこから広がる新たな可能性を学ぶことができます。
■ラッピングに関する根本的な考え方、心理学
■100種類以上のテクニック
■ヤン・フリッシュのFISMグランプリアクト『バルタス』の完全解説
■ダニ、ヤン両氏による手順解説
■様々な視点を掘り下げるインタビュー
■ゲスト陣による哲学、考え方、手順解説
「可能だ、と断言できる。もちろんこのアクトそのものにはならないが、その人だけの自然な動きでこの原理を突き詰めることは誰にでも可能だ」
ヤン・フリッシュのインタビューより
豪華なゲスト陣
ホアン・タマリッツとレナート・グリーンの凄さは言わずもがな。ミゲル・アンヘル・ヘアの解説は『パーセプション』にも繋がる考え方であり、レギュラーコインにも関わらずそれではあり得ないような現象を紹介してくれます。ガビ・パレラスのセクションも素晴らしく、既存のカードマジックのプロットにラッピングを組み込むことで達成できる不可能さは衝撃的です。マジック研究家であるジーン・マツウラの講座では、ラッピングの名人であったスライディーニのテクニックと考え方を徹底的に解体します。
観終わったあと、あなたに起きること
- レギュラーのコイン、普通のデックのまま「それではあり得ない」現象が作れるようになります
- 今持っている手順の途中に組み込むだけで、クライマックスの一段上が作れるようになります
- そして何より、自分の演技を「手」ではなく「体全体」で設計するようになります
2番目が地味に効いてくると思います。新しい手順を一から覚え直す必要がありません。あなたがすでに何十回もやってきたアンビシャスカードや、コインアクロス。その途中に一箇所ラッピングを入れるだけで、観客の反応の質が変わります。ガビ・パレラスのセクションで、まさにその話を扱います。既存のカードマジックのプロットにラッピングを組み込むと、どこまで不可能になるか。観たあとに、自分のレパートリーを全部見直したくなるでしょう。
こんな方に向いたコンテンツです
- クロースアップの手順に、決定的な一撃が足りないと感じている方
- テクニックは覚えたが、演技の「設計」を学んだことがない方
- ヤン・フリッシュの『バルタス』を観て、あれが何だったのか知りたいと思った方
- 座って演じる機会がある方(テーブルホッピング、バー、レストラン、サロン)
こんな方には向かないコンテンツです
- 立って演じる機会しかない方。ラッピングは基本的に、座って演じる状況の技法です。テーブルなしのラッピングも解説されていますが、メインは着席状況です
- すぐに使える完成手順だけが欲しい方。手順の解説もありますが、このセットの中心は考え方と技術です。「今夜のショーで使えるネタ」を探しているなら、他を選んだほうが早いでしょう
- 道具で驚かせたい方。ここにギミックの話はほとんど出てきません
知っておいた方が良い前提知識
難易度は中級とされています。ただし、これはテクニックの難しさというより、内容の密度の話だと考えてください。
必要なのは、カードとコインの基本的な扱いに慣れていること、それくらいです。特別な前提知識は要りません。ラッピングの経験はゼロで構いません。むしろ、ゼロのほうが素直に入れるかもしれません。
購入前に気になること
Q. 難しすぎませんか
技術的な難易度は、想像より低いはずです。膝の上に落とす、膝の上から取る。動作としてはそれだけです。難しいのは動作ではなく、「いつやるか」の判断です。そしてその判断の作り方こそが、10時間かけて解説されている中身です。
Q. 特殊な道具は必要ですか
不要です。カード、コイン、カップとボール。手持ちのもので始められます。ギミックへの依存がないぶん、覚えたことは一生使えます。
Q. すでにラッピングの資料を持っています。重複しませんか
スライディーニ関連の古典資料をお持ちの方もいらっしゃると思います。このセットには、ジーン・マツウラがスライディーニの技法と考え方を約1時間かけて解体していくセクションがあります。そのうえで、ダニやヤンが提示するのは、そこから先の話です。特にヤンの「ダイナミック・ラッピング」は、既存のラッピング観には無いものです。
Q. 実演で本当に使えますか
DVD4がそのためにあります。12種類のエフェクトを含むライブショーが収録され、それが全編解説されます。理論だけで終わらせない構成です。
Q. 『バルタス』を別に演じたいわけじゃないんだけど…
それでまったく構いません。彼のマジックは、彼の体の動きから生まれているので、そのままコピーしても不自然になってしまいます。解説されているのは、彼がどうやってそこに辿り着いたかというプロセス。真似るためではなく、自分のバージョンを作るための資料だと考えてください。
スクリプト・マヌーヴァが選んだ理由
正直に言うと、最初は「ラッピングのDVDが5枚もあるのか」と思いました。
観て、考えを改めました。
これは、ビジュアルなテクニックをいかに上手に行えるようになるか、に主眼があるコンテンツではありません。本当に驚かされるのは、この単純な原理でなし得ることがどれだけ広く、どれだけ未開拓かということです。
また、恐ろしいのはスペインのマジック界ではこの分野の研究がかなり進んでいて、ここに収録されているのはその上澄みにすぎない、と読み取れることでした。
この分野の最先端が、まとまった形で日本語で学べるようになる。
私たちが日本語にする価値がある、と判断したのはそこです。10時間分の字幕を付けるのは楽な作業ではありませんでしたが、迷いはありませんでした。
最後に
膝の上、という空間は、あなたのすぐそこにあります。今この瞬間も、使われないまま存在しています。
そこに気づいた瞬間から、マジックの設計図が変わります。手の中で完結させようとしていた発想が、体全体に広がります。テーブルの向こう側の人が、あなたの手ではなく、あなたという演者を見るようになります。
収録時間の10時間は長いですが、これは消費するコンテンツではなく、何年もかけて掘り続けられる鉱脈のようなものです。一年後に観返して、また新しいものが見つかる。そういう種類の内容です。
ラッピングにパラダイム・シフトを起こすこのDVDセット。きっとあなたのクロースアップ手順における強力な武器になってくれるでしょう。






レビュー
レビューはまだありません。