記憶を錯覚させ、あなたのマジックの不可能性を高めるテクニック
「記憶や認識を錯覚させる工夫」とは
マジックには、マジックである以上かならず何らかの「怪しいポイント」が存在します。マジシャンは様々なテクニックを駆使して観客の注意をそのポイントからそらせますが、このブランク・スペースでは「観客の記憶に介入して」それを行います。
例えば実際はカードを堂々と裏向きに入れたのにその記憶を無くして「突然、裏向きのカードが出てきた!」と思わせる。例えば実際はカードを引いたのに「頭で思い浮かべただけ」という記憶とすり替える。そうすることで、後から考えたときに手法を逆算することが絶対不可能なマジックができあがります。
マジックというパフォーマンスにとって非常に強力な武器となる「記憶/認識を錯覚させる技術」、そのノウハウがついに公開されます!
記憶に関しての技術はこれまでスペインで多く研究され発展してきましたが、それを解説してきたものはあまり日本では紹介されてきませんでした。
それを、スペイン・クロースアップマジック界の第一人者であるダニ・ダオルティスが実演、解説。スペインで議論されてきた膨大な研究内容をバックグラウンドに、培った彼自身のテクニックを解説します。理論だけでなく、すぐに実演できるトリックも解説するので、その効果を実際に体験し、ポイントを着実に身につけることができます。
原理原則とその実例トリックを収録
収録時間2時間の中に、様々な原理原則とそれ実践で見せてくれる5つのトリックを解説(例としてあげたクラシックなものも含めると合計10のトリックを解説)。
各トリックは「記憶/認識を錯覚させる」ために言うべきセリフや動作を行うタイミングなどがすべて巧妙に構成されていますが、高度なスライハンドは一切不要です。それにより、後から考えてもタネの解析が不可能なリアルマジックの感覚を生み出すことができます。ダニの演じるマジックの不可能性、その秘密がここにあります。
収録されているトリックの例はカードマジックですが、記憶に関する原理原則は他の道具や手順にも応用できるものです。
今回のコンテンツのハイライトは間違いなくダニの「ブラックアウト理論」でしょう。観客が集中させる意識を極限までコントロールし、記憶から特定の情報を消し去ってしまうテクニック。この理論の威力は実際に見て納得していただきたいものです。「ブラックアウト理論」の効果を目の当たりにすれば、あなたもその威力を信じることでしょう。
テクニック=再現可能
ダニのパフォーマンスを観ていると、彼だからできるんじゃないのか?彼のキャラクターとテンポがあるから成立している=他の人にはできないんじゃないのか?と思うことがあります。
しかし今回のテクニックはそうではありません。
ダニが演じる場合、一見彼の演技はアドリブに溢れたものに見えます。しかしこと記憶の操作に関して言えば、彼は厳密にセリフと体を動かすタイミングを決めています。この瞬間を隠したいから、このセリフをこのタイミングで体をこちらに向けながら言う、のように厳密に動きが決められたテクニックなのです。
それはつまり、練習で再現可能ということ。
確かに、ダブルリフトのように指先のテクニックとはジャンルの違うテクニックです。しかしジャンルが違うだけで、やり方が決まっていて練習を繰り返すことで身につけられるという意味では、スライハンドとまったく同じ。「より高度」というよりは「より包括的で、今までの知識の枠にない」だけで、練習すればきちんと身につくテクニックなのです。
ダニのような不可能性をあなたのマジックに取り入れたいなら、必ず見るべき一本です。
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