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彼以前と、彼以後——ホアン・タマリッツはマジックの何を変えたのか(後編)

前編では、2026年8月18日に83歳で亡くなったスペインのマジシャン、ホアン・タマリッツの人生をたどりました(前編はこちら)。

後編は、彼がマジックの何を変えたのかという話です。彼の前と後で、マジックはどう変わったのか。

不思議の「作り方」を考え抜いた人

タマリッツ以前、マジックの本というのは、だいたい「どうやるか」を教えるものでした。技法があって、手順があって、それを覚えて練習する。理論を語った先人もいます。でも、タマリッツほど「観客の頭の中」そのものを体系にした人はいませんでした。

代表作『Magic Way』(原著は1988年にスペインで出版。現在流通している英語版は2014年の新版です)の核心は「False Solutions(偽の解決法理論)」と呼ばれます。観客が思いつきそうな種——「さっき手に隠した?」「別のカードとすり替えた?」——を、演技の中であらかじめ一つずつ潰していく。たとえば「手に隠したのでは」と思われそうな場面では、その前に両手が空であることをさりげなく見せておく。「すり替えたのでは」と思われそうなら、すり替えが不可能なタイミングで一度カードを確認させておく。観客が後から振り返ったとき、どの説明の道も塞がれているようにするのです。そして全部の可能性が消えたとき、頭に残るのは「魔法」だけ。不思議は偶然の産物ではなく、設計できる。そう示した理論です。

『ファイブ・ポインツ』では、目・声・手・足・体という5つのポイントから観客とのコミュニケーションを組み立て直しました。原著の初版は1982年。タマリッツが熱に浮かされたように、わずか1週間で書き上げたと伝えられています。技法の本ではありません。マジシャンの視線が観客の視線を導くこと。声の高低とリズムが注意を操ること。立ち方ひとつが説得力を変えること。マジックに関して、演技の「身体」を正面から論じた本は、当時ほかにありませんでした。

変わった本もあります。『Verbal Magic』(2008年)は、彼がラジオの週刊マジック番組で演じた「言葉だけで成立するマジック」を40作以上集めた一冊。姿の見えないリスナー相手に、電波の向こうでマジックを起こす。マジックは目で見るものだという常識さえ、彼の中では絶対ではなかったわけです。

そして晩年の大著『Magic Rainbow』(英語版2019年)。573ページ。40年以上にわたる思索の集大成で、「マジックを観たとき、観客の心で本当は何が起きているのか」という問いを、これでもかと掘り下げています。世界大会F.I.S.M.は2009年、こうした理論面の仕事に対し、特別賞を贈りました。彼はF.I.S.M.において、1973年に演技の頂点を、2009年に思索の頂点を、それぞれ認められたことになります。

彼以後、「不思議さは作り込めるものだ」という考え方は、世界中のマジシャンに共有されていきました。

一つのジャンルをメジャーに押し上げる

もうひとつの金字塔が『ネモニカ』です。

デックの配列に企みを仕込む考え方そのものは、実際は数世紀前からありました。いわゆるメモライズド・デックも、20世紀前半には現れています。ただ、長いあいだ一部の研究家の道具に留まっていました。

タマリッツは2000年、約20年かけて練り上げた自身の配列「ネモニカ」と、そこから生まれる100を超える作品を一冊にまとめて発表します(英語版は2004年)。この配列のすごさは、設計思想にあります。新品の状態から、ファローシャッフルを数回行うだけで、この配列に到達できる。逆にたどれば、さんざん混ぜたはずのデックが、クライマックスで新品の並びに「戻る」という奇跡さえ演出できる。よくシャッフルされたように見える一組が、実は演者の頭の中で完全に把握されている。そこから生まれる不思議の数々が、この分野の景色を変えました。

この理論家は、実用家でもあります。彼以後、ネモニカは世界で最も使われる配列のひとつになり、メモライズド・デックはマジシャンの標準装備になりました。タマリッツは、一部の研究家だけが知る原理を、野心的なカードマジシャンなら一度は学ぶ主要ジャンルに変えてしまったのです。

スペインを「世界のマジックの都」にした

彼の寄与は、個人の作品にとどまりません。

1970年代の初め、彼は先達アルトゥーロ・デ・アスカニオらとともに「La Gran Escuela de Magia(マドリード・マジック学派)」を設立します。マジックにも、絵画や文学の運動のような「学派」が必要だ——技法だけでなく、理論と心理を仲間と徹底的に議論する文化が、ここから生まれます。

1974年からは、マドリード郊外のエスコリアルで、カードマジックだけを論じる会議を毎年主催しました。招待制で、集まるのは毎回30人ほど。世界中の研究家が「呼ばれること」自体を名誉とする、伝説的な会議です。毎年ひとつのテーマを決めて、3日間、朝から晩までカードマジックの話だけをする。そんな場を、半世紀近く続けたのです。

その土壌から何が生まれたか。

1991年、ファン・マヨーラルがF.I.S.M.のジェネラルマジック部門で優勝。2015年にはヘクター・マンチャが、2018年にはミゲル・ムニョスが、F.I.S.M.ステージ部門の最高賞グランプリを獲得します。2022年のケベック大会では、クロースアップ・マイクロマジック部門(同点優勝)とステージ・イリュージョン部門でスペイン人が優勝、ほかにも二つの部門で2位に入りました。

人も育てました。「タマリッツの一番弟子」と呼ばれるダニ・ダオルティス。ウディ・アラゴン。スペインのテレビで国民的人気を持つルイス・ピエドライタ。コインマジックのミゲル・アンヘル・ヘア。他にもたくさん。世界のマジック地図で、スペインは今や間違いなく強豪国です。

ニューヨーク・タイムズが2023年に付けた特集の見出しが、すべてを語っています。「スペインを世界のマジックの都にした男」。記事にはこうあります「スペイン中のマジシャンが、そしてマドリード中のウェイターまでが、彼を「マエストロ」と呼ぶ」。一人のマジシャンがマジック界のみならず、一つの国の文化としてマジックの水準を丸ごと引き上げてしまった例を、私はほかに知りません。

科学が追いかけた人

もうひとつ、意外な波及先があります。学術の世界です。

2010年代以降、「マジックを観ているとき、人の脳では何が起きているのか」を研究する心理学・神経科学の論文が増えました。その中で、タマリッツの「フォールス・ソリューション」の考え方は、注意やミスディレクションを分類する枠組みとして、査読付きの学術論文に引用されています。神経科学者が世界の一流マジシャンを研究した書籍『脳はすすんでだまされたがる』(原題 Sleights of Mind)にも、彼は登場します。

舞台の上の直感を、科学が後から追いかけて検証したのです。理論家タマリッツの面目躍如でしょう。晩年には彼を追ったドキュメンタリー映画の制作も複数進んでいました。2024年のメモライズド・デックも関わってくるドキュメンタリー『Lost in the Shuffle』にも出演しています。

何より、本人がいちばん不思議だった

ここまで書いておいてなんですが、白状します。私(滝沢)は学生時代に、レクチャービデオで彼の演技を観て「普通だな」と思っていた人間です(見る目がない!)。

その後にライブで観て、頭が吹っ飛ぶような衝撃を受けました。あるコンベンションのガラショーで、前半にFISM入賞者が次々に登場する豪華なショーがありました。会場はすさまじい盛り上がりで、これは後半のプロの出番も喰われるのではという勢い。そうして迎えた後半のクライマックスで、タマリッツが登場です。千人規模のステージで、派手なマニピュレーションなどのステージマジックで盛り上がりに盛り上がった舞台。それを、デック一つで、完全に圧倒するパフォーマンスを見せたのです。笑いっぱなしの、あんなに騒がしい演技なのに、「ほんとに?ほんとにこれでカードが当たるの!?」という不思議をダイレクトに届けてしまう。まさに名人の至芸でした。

ハリウッドのマジックの殿堂マジック・キャッスルは、彼に「マジシャン・オブ・ザ・イヤー」(1992年)をはじめ三度の栄誉を贈っています。世界中のマジシャンが、「マジシャンのためのマジシャン」として認める人物。そんな彼は、愛とシェアの人でもありました。

2014年、大阪で彼の5時間ワークショップを開催したときのことです。ふと二人きりになった時間があったのですが、そこで彼が「マジック見るかい?」とトランプを取り出しました。演じてくれたのは、ごくシンプルなカード当て。しかしそれが、私の知っているどの原理でも説明がつかないのです。まだ知り合って間もない私に、一対一でそんな贅沢な時間をくれたタマリッツ。私は緊張と興奮でずっと震えていました。あのカード当て、いまだにやり方が分かりません。

そして、知恵を惜しみなく手渡す人でもありました。2012年に『ファイブ・ポインツ』の日本語版を出す少し前、翻訳権の話が前に進まず落ち込んでいた私に、ほぼ初対面だったにもかかわらず「いい話じゃないか、やりなさい。出版社には僕が話をしてあげるよ」。世界の頂点にいる人が、極東の何者でもない一若造にまで、そうだったのです。

もう見せてもらえない、ということ

マドリードで行われた通夜には、こんな趣向があったそうです。弔問に訪れた人たちが、一枚ずつトランプに追悼の言葉を書き込んでいく。彼を送る方法として、これ以上のものはないと思います。遺族によれば、その遺産を守る財団の設立と、公式の追悼式も計画されているとのことです。

これから先、新しい不思議を彼から見せてもらうことは、もうありません。それがどれくらい大きな喪失なのか、実感が追いつきません。

救いは、彼がその考え方を、本と映像のかたちで次の世代に手渡していったことです。日本語で触れられるものは、記事の末尾にまとめておきます。彼の名前を今回はじめて知った方が、いつかその考え方に触れてくれたらと思います。

演技が終わるごとに見えないバイオリンを弾いてみせた、あのしゃがれた歌声は、きっとこれからも鳴りやみません。

滝沢(スクリプト・マヌーヴァ 代表)

タマリッツの著作・映像——日本語で触れられるもの

参考情報源

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ホアン・タマリッツ—世界でいちばん不思議だった人の軌跡(前編)

2026年8月18日、ホアン・タマリッツが亡くなりました。83歳でした。マドリードの病院で、家族に囲まれて。遺族の言葉を借りれば「苦しむことなく、彼のトレードマークだった笑顔のまま」だったそうです。 訃報を見てから、この原稿を書こうとして何度も止まりました。どこから語ればいいものか…。アメリカの有名マジシャン、デビッド・ブレインは彼を「(当時)存命している中で最も偉大かつ影響力のあるカードマジシャン」と呼びました。まずは、彼がどういう人生を歩んだのか。

始まりは4歳の劇場

タマリッツは1942年、マドリード生まれ。本名はフアン・マヌエル・タマリス=マルテル・ネグロン。父は軍人でした。マジックとの出会いは4歳のとき。自分から両親にせがんで、マドリードの劇場でマジシャンの舞台を見せてもらったのが最初だといいます。6歳で早くも友人相手に初披露。プレゼントにもらったマジックセットの8つの手品を、家族の集まりで繰り返し繰り返し演じて育ったそうです。 面白いエピソードがあります。16歳のとき、スペイン奇術協会(SEI)に入会を申請したところ、断られます。理由は「最低年齢は20歳」という規定のため。数年後、とは言えまだ20歳にならない歳で彼は再び協会の扉を叩き、審査員の前で実技を披露します。その腕前に、協会は年齢規定のほうを曲げて彼を迎え入れました。のちに世界中のマジシャンの師と呼ばれる人の、これが出発点でした。

物理学と、映画と

ここからまっすぐマジックに進まなかったのが、この人の面白いところです。大学では物理学を専攻。5年課程を3年まで進めて、中退します。次に選んだのが国立映画学校。在学中に短編映画を2本監督しています。 映画の道は、1970年、学生運動のあおりで学校自体が閉鎖されて絶たれました。人生の先が見えなくなったときに、残ったのはマジックでした。観客の心理を実験のように検証する目と、マジックを一本の物語として組み立てる構成力。あの人の独特さは、この回り道と無関係ではなかったはずです。 下積みは長かったようです。本人がのちに語ったところによると「何年もの間、私はひどいものだった。誰も雇ってくれなかった」。その時期の生活を支えたのは、看護師だった最初の奥さんの給料だったといいます。世界一のカードマジシャンにも、そういう時代がありました。

1973年、パリ

転機は1973年。マジックのオリンピックと呼ばれる世界大会F.I.S.M.のパリ大会で、タマリッツはカードマジック部門の世界チャンピオンになります。実はその3年前、1970年のF.I.S.M.でもマイクロマジック(クロースアップ)部門で2位に入っていて、パリは雪辱の舞台でした。優勝演目は「パリの演目(El número de París)」。ハーモニカを吹きながら、カードとコインが変化し、消えていく。師のアルトゥーロ・デ・アスカニオは、これを「私が見た中で最も偉大なマジック」と評したと伝えられています。 そしてスペインでは、テレビが彼を国民的な存在にしました。1970年代、国民的クイズ番組「Un, dos, tres… responda otra vez(1、2、3……もう一度答えて)」に奇人「ドン・エストレチョ(Don Estrecho)」役で50回以上出演してお茶の間の顔になり、1988年からは自身の冠番組「Magia Potagia(魔法の合い言葉)」がスタート。トランプ一組と帽子、マジックを終えたときに見えないバイオリンを弾いてみせる「チャン・タタチャン」の決めポーズ。スペインでは数世代にわたって、家庭の記憶になっている人です。活動はスペインにとどまらず、アメリカNBCの特番や、日本のNHK、イギリス、フランスの番組にも出演しています。 考えてみてください。カードマジックですよ。本来、目の前の数人にしか見せられない芸です。それをその時代にお茶の間の人気芸にしてしまったのです。

「学派」をつくった人

もうひとつの顔が、理論家であり、指導者であることです。 1970年代の初め、彼はアスカニオらとともに「La Gran Escuela de Magia(マドリード・マジック学派)」と呼ばれる研究グループを立ち上げ、牽引しました。マジックを感覚ではなく、心理学と理論で徹底的に考え抜く集まりです。この土壌から何が生まれたのかは、後編で書きます。 栄誉は数え切れません。ハリウッドの殿堂マジック・キャッスルの「マジシャン・オブ・ザ・イヤー」。スペイン政府の美術功労金メダル(2011年)。マドリード市の金メダル(2019年)。著書は17か国語に翻訳されたといわれます。伝説の名人ダイ・バーノンは、「80年を超えるマジック人生で、彼ほど私を騙した者はいなかった」と語ったと伝えられています。世界中のマジシャンを騙し、笑わせ、そして育てた人。それがホアン・タマリッツでした。

最後まで、マジックと

晩年の彼はパーキンソン病を患っていました。それでも、体が許すかぎり、マジックの仲間たちの集まりに顔を出し続けたそうです。口癖のように繰り返していた言葉があります。「Magia, Alegre, Vida——マジック、喜び、人生」。そして「マジックは楽しむためのものだ」。 「誰からも深く愛され、敬われた、素晴らしい人でした」として訃報を発表したのは、娘のアナ・タマリッツさんでした。彼女自身もマジシャンで、マドリードでマジック学校を主宰しています。F.I.S.M.は公式に「マジック界は真の巨匠の一人を失った」と声明を出し、スペインの副首相から英国の人気マジシャン、ダイナモまで、追悼の言葉は国境もジャンルも越えて広がり続けています。 後編では、彼の前と後でマジックがどう変わったのか。そして、私自身がご本人から受け取ったものの話をします。


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映画『Stealing Magic』とタネの海賊版問題

マジックの世界には、昔から変わらない約束事があります。「秘密は、それを学ぼうとする人のためにある」ということです。

今年6月、ニューヨークのトライベッカ映画祭(ロバート・デ・ニーロらが創設した、米国有数の映画祭)で、この約束事を真正面から扱ったドキュメンタリー映画がワールドプレミアを迎えました。タイトルは『Stealing Magic(マジックを盗む)』。マジックの秘密を盗み、闇サイトで売りさばく人物を、マジシャン自身が国際的に追跡していく実録作品です。

マジシャンが「泥棒」を追いかけた

追跡の中心にいるのは、世界中のマジシャンが利用するマジック専門ショップ「Vanishing Inc.」の共同創業者、アンディ・グラッドウィン。彼らが販売するレクチャー映像や書籍——つまりマジシャンたちが人生をかけて作り上げた作品——が、海賊版として大量に流通している実態を突き止めるところから、この映画は始まります。

監督はマシュー・テスタ。TV番組「Fool Us」でおなじみのペン&テラーも出演しています。Rolling Stone誌は「今年のトライベッカで最高の作品の一つ」と評しました。マジックの内幕もの、というだけでなく、一本のクライム・ドキュメンタリーとして評価されたことに、意味があると感じています。

「種の海賊版」は、日本でも他人事ではありません

この映画が扱っている問題は、遠い海外の話ではありません。

日本でも、レクチャー映像の違法アップロードや、解説の無断転載は残念ながら珍しくないのが実情です。「たかが種明かし」と思われるかもしれません。しかし、レクチャー作品の一本一本は、クリエイターが何年もかけて磨いた演技と研究の結晶です。それが無断で出回るということは、次の作品を生み出す力を、業界全体から少しずつ奪っていくことでもあります。

翻訳の仕事をしていると、一本の作品の裏にある年月を間近で見ることになります。だからこそ、この映画が「秘密を守ること」を古臭い掟としてではなく、「創作者への敬意」の問題として描いたことに、強く共感しました。

秘密は、学ぼうとする人のためにある

では、私たち愛好家にできることは何でしょうか。

答えはシンプルだと思います。良い作品を、正規の形で手に取ること。そして、そこから学んだことを大切に演じること。それだけで、クリエイターには次の作品を作る力が届きます。

『Stealing Magic』は現時点で日本での公開情報はまだありませんが、公式サイト(下記リンク)では作品情報や予告編を見ることができます。続報があればこのコラムでもお伝えするつもりです。マジックの秘密をめぐるこの物語が、日本の愛好家のあいだでも語られる日が来ることを願っています。

マジック界の底上げのために。


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名品は日用品に宿る──ガイ・ホリングワースの道具論と、ひとつの”追放”

このコラムについて

英国のマジック・ポッドキャスト 『Desert Island Tricks』 のガイ・ホリングワース(Guy Hollingworth)出演回を、スクリプト・マヌーヴァが再構成した全3回の最終回です(番組趣旨と人物紹介は第1回、彼の創作観は第2回を参照)。

第1回は「遅さの美学」、第2回は「ゼロから作る流儀」。締めくくる今回は、彼の演技全体を貫くもうひとつの軸──「道具は、マジック専用に見えてはいけない」という美学を扱います。番組の”追放するトリックを1つ選ぶ”というコーナーとも、この思想は深く結びついています。

大統領が設計した、完璧なカップ

ガイが無人島に持っていく道具は、カップ&ボール。彼はマジックショップのカップを使いません。少年期〜学生期に手が届いたディーラー品は「安っぽく、粗末で、フリーザーバッグに入っているような代物」が多く、好きになれなかったという原体験があります。

代わりに使うのがジェファーソン・カップ。ガイによれば、第3代米大統領トマス・ジェファーソンが、贈られて気に入らなかった大量の銀を溶かして作らせたことに由来する器だといいます。米国では今もトロフィー店で扱われ、卒業祝いの品として売られているものです。ガイは偶然見つけたこれが、カップ&ボールに「驚くほど完璧」だと語ります。マジック用カップにありがちな側面の溝がなく、重ねると中央にボール一個ぶんの理想的な隙間ができ、底には小さなくぼみがあって乗せたボールが転がり落ちない。ファイナルロードにもサイズは充分。「知らず知らずのうちに、ジェファーソン大統領はカップ&ボールに最適なカップを設計していた」と笑います。

「指の間に4個」を、拒む

道具観がさらに鮮明になるのが、ステージアクトのビリヤードボール(四つ玉)です。ガイの用いる手法は標準的なビリヤードボールのそれではありません。その動機が痛烈です。

マジシャンの典型的な宣材写真の一つに、指の間にボールを挟んだ姿があります。5本の指の間に4つの隙間があるから4個、両手なら8個。「8個も挟めるなんて凄いマジシャンだ」と言うわけです。しかし彼はそこに疑問を抱きます──それは現実のビリヤードとは何の関係もない格好だと。一般の人にとってビリヤードの球は、台の上でキューでついてポケットに落とすもの。誰も指の間に4個挟むなんてことはしない。一般的なメソッドがその持ち方をするから、マジシャン側が”ビリヤードボールとはそういうもの”と慣らされているだけだ、と。

だから彼は、球をごく普通の物体として扱える方法を採り、道具にもこだわります。ノスタルジックな芸風(彼は燕尾服で演じます)に合わせ、球は伝統的なものを使います。白(キューボール)2個・赤(オブジェクトボール)1個の計3個です。収めるのは、1920年代に実際にビリヤードセットを買えば付いてきたような、マホガニーの小箱。「観客がそれを知っているかは分からない。でも、マジックの外の世界でしっかり存在理由がある道具だ」。彼が一貫して狙うのは、マジックの小道具に見えない、現実世界に実在する道具です。

ジャケット──究極の”非マジック”道具

番組の後半で「マジック専用ではないが演技に使う道具」を1つ選ぶコーナー。ガイは「ジャケット」と即答します。

理由は、まずこれがほとんど”万能ツール”であるということ。ポケットは内蔵のケースであり、トリックの保管場所であり、スイッチの場になります。袖で物を消せるだけでなく、第1回で触れたパトリック・ペイジの消失技法も、彼独自の「フラッピング」も、この上着の構造を利用します。

さらに彼は道具をディスプレイする場として胸ポケットを常用します。ポケットの内側にマジックテープや小さなスナップを縫い付けるのがちょっとしたコツで、そうすることでサインされたカードを差してもポケットの奥に落ち込まず、見える位置に留まります。テーブルを使わず観客の手の中で行うワイルドカードにおいては、変化するたびカードを胸ポケットに差していく、なんて使い方もしています。「これほど便利な道具を手放すなんて、考えられない」と。

しかも彼は上着を”特注”しません。弁護士になった頃に何着かスーツを仕立てたが、費用に見合う価値を感じなかったようです。今はヴィンテージや古着を買い、近所の仕立て屋で寸法直しをし、マジックテープ程度なら自分で縫う。ここでも第2回の「自分で作る」気質が顔を出します。

“追放したい道具”──ミューティレイテッド・パラソル

番組には「ひとつのトリックを島に埋め、二度と世に出さない」という追放コーナーがあります。ガイが選んだのはミューティレイテッド・パラソル(傘のトリック)でした。

現象はこうです。派手な色地の傘を鞘のようなものに入れ、柄だけが出た状態にする。次にシルクを何枚も取り出して奇妙な袋に入れる。袋を開けると中身が傘の布地に変わっている(あるいは袋自体が傘の上部に変わる)。そして傘を開くと、消えたはずのシルクが各骨の先に結ばれて現れる、というものです。

ガイはこれを「馬鹿げている」と一刀両断します。誰も「どうやったのか」と不思議がらない。具体的な仕掛けは分からずとも、あの奇妙な袋と鞘の中で何かが起きたのは明白だし、骨に結ばれたシルクが最初のものと同じでないことも見え透いている。第2回・今回と通底する彼の物差しで言えば、これは「普通でも、魔法でもない中途半端なもの」なのです。「僕は魔法使いで、この不思議な道具を使ってこんな不思議を起こす」でもなければ、「ただ雨よけの傘を持っているだけの普通の人間」でもない。実在の理由を持たない”変な道具”で、理屈もなく、ただやるためにやっている──ヴォードヴィル時代の遺物だ、と。番組のインタビュアーは、アンディ・ナイマンの「マジシャンは奇妙な道具を持つべき」という別回の発言を引きつつ、パラソルの場合は「奇妙な道具が手法を成立させるためだけに存在している」点が問題だと整理し、ガイもこれに同意しました。

まとめ──良い道具選びは、”底上げ”の第一歩

3回にわたり、ガイ・ホリングワースの哲学を追ってきました。遅くても崩れない構造を作り(第1回)、自分の頭でゼロから設計し(第2回)、そして道具は現実世界に居場所のあるものを選ぶ(今回)。大統領のカップ、本物のビリヤードセット、一着のジャケット──彼の選択はどれも「マジックのために存在する変な道具」ではなく、「世界に実在し、たまたまマジックにもうまく使えた道具」でした。

道具をどう選ぶか。それは種や技法と同じくらい、演技の品格を決めます。上質な演技への道は、こうした一つひとつの選択の積み重ねから始まるのかもしれません。

(了)

🎧 出典:ポッドキャスト『Desert Island Tricks』ガイ・ホリングワース回(制作:Alakazam Magic)
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“ゼロから作る”という流儀──ガイ・ホリングワースの独創論

このコラムについて

英国のマジック・ポッドキャスト 『Desert Island Tricks』 のガイ・ホリングワース出演回を、日本のマジック愛好家向けに紹介する全3回の第2回です(番組の趣旨と人物紹介は第1回を参照)。

第1回では彼の「遅く演じるマジック」の美学を扱いました。今回のテーマは、その演技を支える土台──「他人のトリックをほとんど演らず、自分でゼロから作る」という、彼の創作観です。ガイは番組冒頭でこう言いました。「放っておくと、今回のは極端に短いポッドキャストになってしまうよ。デック8組を持っていって自分のトリックだけをやる、で終わってしまう」と。事実、彼が島に持っていく8演目の大半は、自作の手順でした。

「買わない」マジシャン

ガイは、マジックショップでトリックをほぼ買いません。ギミックや小道具を単体で買うことはあっても、パケット入りの”完成品トリック”を店で手に取ることは滅多にない、と言います。

この気質の源泉を、彼は自身の来歴に求めます。祖父は「ちょっとした発明狂」で、家庭内の便利道具を次々に自作する人だったようです。その古いノートは今もガイが所持しているうえ、彼自身の学位は工業デザインです。「何かを考案し、設計すること」が根にあり、マジックはずっとその習性と分かちがたく結びついてきたと言います。「僕がマジックを好きな一番の理由は、何かを考案し、やり方を見つけ、パズルを解き、問題を乗り越えることなんです」。

だから彼の“島に持っていく物リスト”は「ディーラーから買える買い物リスト」にはならない、と最初に断ったのです。

「リフォーメーション」──”知的パズル”としてのトリック

彼の代名詞的マジックの一つである、トーン&レストア・カード「リフォーメーション」の誕生譚は、この創作観を象徴します。

デザインを学んでいた大学在学中、彼はこれを純粋な知的パズルとして着想しました。「サインされたカードを、一片ずつ元に戻せるか」。幾何学的に考えれば、カードを折り、破り、4分の3まで見せた状態から最後の一片を足し、破れ目なく完全に復元して手渡す方法など、どう組み合わせてもあり得ないように思えます。「うまくいくかまるで分からないまま、ゴールのイメージだけが先にある状態で作った」。

出発点はJ.C.ワグナーのトーン&レストアでした。ただしワグナー版は一片ずつの復元ではなく、最後の4分の1も復元せず”同一カードである証拠”として観客に渡す構成。ガイはここから「なぜ一片ずつ、視覚的に復元できないか」を詰め、二片が融合し、三片目が加わり…という手順に組み替えていきます。この「一片ずつくっつく」構造は、後にトーン&レストア・ニュースペーパー(彼のステージアクトの一節)にも一貫して流れる、彼の特徴的な発想となります。

重要なのは、最初は「ひどい出来」だったと本人が認める点です。「メソッドが悪いのか、単に練習不足なのか分からなかった。だから、様になるまでただ繰り返した」。22歳のとき米TV特番『The World’s Greatest Magic』で披露し、一夜にして注目を集めます。当時のアメリカでは、この年次特番が新しいマジックの登竜門でした。放送の少し前にデヴィッド・カッパーフィールドが特番で演じた、貴少な野球カードを破って復元する演技と見た目が似ていたことも、マジシャン達の関心を後押ししたと分析します。

あえて調べない──再発明の”罠”と”功”

ガイには際立った作法があります。新しいトリックに取り組むとき、あえて既存のメソッドを調べない、というものです。

「あるトリックのあらゆる方法を研究したら、それが自分の思考を”こう解くべきだ”と縛ってしまうのではないか」。彼が敬愛するレナート・グリーンが、マジック文化にどっぷり浸かっていなかったからこそ独立した発想で新しい方法を生み出せた──その姿勢を、彼は自分にも課しているのです。

もちろん代償はあります。「しばしば車輪の再発明に終わる」と彼は苦笑します。後から他人の版を見て、そちらの方が優れていると気づき、その要素を逆算して自分の手順に組み込み直すことも多いと言います。トーン&レストア・ニュースペーパーでも、完成後にアクセル・ヘクラウの版を見て「先に見ていれば手が止まったかもしれないが、あの要素を採り入れたら劇的に良くなった」と認めています。「調べない」は非効率だが、その非効率がオリジナリティの温床になるという逆説です。

なお彼は、より体系的な設計論を試みたこともあります。マジック・サークル100周年の講演で配布した小冊子『Waiting for Inspiration』では、工業デザインの手法を援用して「良いトリックの同定→方法の発見→洗練」を論じました。ただし「正直に言えば、普段はそんな風には作っていない。もっと有機的な流れでトリックは生まれる」とも言います。

創造的制約──”好きでない道具”を選ぶ理由

自作主義の彼が、島に持っていく道具としてリンキング・リング(TCC製の「Wonderful Linking Rings」)を挙げたのは、意外なチョイスです。しかも本人が「この道具、正直あまり好きか分からない」と認めています。

その理由は「創造的制約」でした。選択肢が多すぎるとかえって創造的になれない。あえて自分が選ばないような、好きでない道具に自分を追い込むことで、普段と違う・より創造的なアプローチが引き出されるだろう、と。

彼はこれをレストランに例えます。「評価の高い名店に行ったなら、普通の店でも頼めるものは頼まない。むしろ”嫌いそうだ”と思うもの(普段は苦手な仔牛のレバーなど)を頼む。すると『こんな料理法があったのか』という発見がある」。リンキング・リングも同じで、一般的なメソッドを使わない自分なりのルーティンを開発中だといいます。だが「これが良い方法なのか、ただの時間の無駄なのか、まだ分からない」──「リフォーメーション」誕生時と同じ地点にいることを、彼はむしろ楽しんでいます。

「難しさの壁」は思い込みである

最後に、独学者に効く一節を。ガイが島に持っていく唯一の本は『Expert Card Technique』でした。

少年期の彼の出発点は、地元の公共図書館だったようです。良し悪しも難易度も知らぬまま、置いてあった数少ないマジック書を借りて読む。そのひとつが本書で、チャーリー・ミラーのフォールス・シャッフルなど、今も使う技法をここで覚えたと言います。

決定的だったのは、「これらが”難しい”と知らずに始めた」ことでした。16歳でマジッククラブに通い始めて、「なぜそんな難しいものを演るのか」と言われ、初めて驚いたと言います。図書館の本は淡々と手順を記していただけなので、彼にとってそれは「マジックとはこういうものだ」というものだったのです。テニスの入門書に「サーブはボールを上げてこう打つ」と書いてあれば、そうするものだと思うのと同じで、「難しい」という前情報=壁が最初から無かったのです。

さらに彼はピアノを引き合いに出します。「嫌々習わされたものだが、ごく簡単な曲を弾くだけでも、たいていのマジックのスライトより余程の器用さと指の運動を要する。それに比べれば、難しいとされる技法も客観的にはそこまで難しくない」。最もシンプルな方法を探し、スライトを削るべきだという原則には同意しつつ、「できる技法の幅が広いほど、演じられるトリックも解法の選択肢も増える」と、技術を積む価値を明快に説きます。

「作ること」こそが出発点

ガイ・ホリングワースの創作論は、突き詰めれば単純です。自分で作る。あえて調べない。嫌いな道具に飛び込む。難しさを疑う。効率だけを見れば遠回りばかりですが、その遠回りこそが、歴史に残る傑作集を生む土壌だったのかも知れません。

第1回「なぜ名手は”急がない”のか─ガイ・ホリングワースが語る「遅いマジック」の美学」
(第3回「名品は日用品に宿る──”普通の道具”と”懐かしさ”の美学」に続きます)


🎧 出典:ポッドキャスト『Desert Island Tricks』ガイ・ホリングワース回(制作:Alakazam Magic)
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なぜ名手は”急がない”のか─ガイ・ホリングワースが語る「遅いマジック」の美学

英国のマジック・ポッドキャスト 『Desert Island Tricks』 をご存じでしょうか?
番組は、ゲストを「無人島に島流しにする」という設定のトーク企画で、テーマとして、持っていける得意なトリックを8つ、本を1冊、「マジック専用ではないが演技に使う道具」を1つ、そして”この世から消し去りたいトリック”を1つ──を挙げていくというもので、一流マジシャンたちが本当に手放せないものが何かを浮き彫りにしていくというものです。

今回は、ゲストがガイ・ホリングワース(Guy Hollingworth)ということで、その内容を3回に渡ってご紹介します。

ガイ・ホリングワース

ガイ・ホリングワースは、近代クロースアップ/パーラーマジックにおける名著『Drawing Room Deceptions』(1999)の著者。トーン&レストア現象である「The Reformation」で一躍有名になり、2008年にアカデミー・オブ・マジカルアーツ(ハリウッドのマジックキャッスル)の年間最優秀マジシャンに選出。ワンマンショー『The Expert at the Card Table』をエディンバラ・ラスベガス・ロンドン等で上演し大成功を収めました。異色なのは本業が法廷弁護士であること。この多忙ゆえ、前作から実に25年を経ることになりましたが、2026年に第2作『More Drawing Room Deceptions』を刊行します。初版もまた新章を加えて復刻されるとのことです。

ここで彼が繰り返し語ったのが、「マジックは、ゆっくりやった方が凄さが際立つ」 という一見逆説的な哲学でした。全3回でこの回の聞きどころを紹介する第1回、まずは「遅さの美学」から掘ります。

「急ぐマジック」の正体

多くのマジックはなぜあれほど速いのか。ガイの答えは辛辣です。「メソッド(手法)にあやしいところがあるのを自覚しているから」

手法がバレる前に、クライマックスまで一気に押し切ろうとするから、速くなるのです。カップ&ボールなら、ボールがあちこちに現れては消え、観客の意識を引きずり回したうえで、最後にオレンジを出す。コインなら、適当なマトリックスもどきでつないで、最後にジャンボコインで締める。パケットトリックなら、最後に裏の色が全部異なるように変わったりするが、カードを裏返していく過程は大して面白くない。彼はこれらを「オチまで注意を”持たせているだけ”」で、過程そのものが観客を引き込めていないと一刀両断します。

つまり多くの演技は、一番おいしいはずの”最初の一撃”を捨てている、と言うのです。

最初のフェーズこそ、本気で

ガイが島に持っていく最初の演目はカップ&ボール。ただし意図的に遅く演技を進める、彼自身の「スローモーション・カップ&ボール」です。

彼はかつてデヴィッド・ウィリアムソンの2カップ・ルーティンを演じていたが、テンポが速く自分のペースに合わないと気づいて離れた、と明かします。その代わりに据えたのが、次の一点です。

「本当にカップの中が空だと見せ、テーブルに置く。本当にボールを見せ、そのボールが消え、両手が空で、カップを持ち上げるとその下にボールがある。もしそれが本当なら、それだけで驚異的でしょう」

これは当たり前のことに聞こえます。しかし多くの演技では、この最初の一瞬が「メソッドをこなすのに忙しくて」適当にこなされている、と。だから彼はバニッシュの質にこだわります。ボールを消した直後に堂々と止まり、両手が空だと示し、公明正大にカップを持ち上げること。そのためにパトリック・ペイジがジャンボコインの消失に使った技法(袖まくりの動作に紛れさせるもの)を応用し、さらに「フラッピング」という、一度消したボールを必要時に取り戻せる技法を開発しました。速さで隠すのではなく、遅くても崩れない構造を先に作った。発想の順序が逆なのです。

3分間に、3個消えるだけ

彼がステージで演じるビリヤードボールも同じ思想です。約3分間かけて、ビリヤードボールがただ3個消え、取り出した箱へ戻っている。それだけで、派手な展開はありません。それでも「ゆっくりやることが効果を増している」と言い切ります。

ステージ・マニピュレーションを、彼は「花火大会」に例えます。カードのファンが出て、火が立ち上り、シルクが出て、鳩が飛ぶ──美しい現象が次々起きますが、物語性がない。「ほら見て、僕はこんなに上手いでしょう」という、ある種の”ドヤ感”で終わってしまうものが多いと嘆きます。

彼のアクトの構造自体が、この反省から組まれています。各アクトは無言で音楽に乗せて演じられ、トリックとトリックの”間”だけ喋って次を紹介する。モジュール式なので、短くするなら中間の一段を抜き、長くするなら一段足せばいいだけ。そして速さで押さない。遅くすることの本質的な利点は、観客が演者の思考を追えることだといいます。「彼は今、こうすればボールを消せると気づいたな…あのボールはどこへ消えた?… ああ、あそこから取り出すつもりだ」──観客が内面のモノローグに追いつく時間を渡す、それによって演技に別の質が乗るのです。ランス・バートンや、ガイがマジックを志す原点となったチャニング・ポロックの系譜にある、ゆっくりと必然的に進む古典的ステージの質感です。

Cutting-edge nostalgia(最先端の、懐かしさ)

ビリヤードのBGMで彼が使用しているのは映画『チャイナタウン』のスコアです。現代の楽曲でありながら1930年代のフィルム・ノワールを喚起する音。これこそ自分のマジック観の縮図だと言います。

「現代的な方法・現代的な演出のマジックを、もっと古いものの感触で見せる」。彼はこれを「Cutting-edge nostalgia=最先端の懐かしさ」と呼びます。この考えは自著の装丁観にも通じ、1999年の初版はアール・ヌーヴォー(1899年頃)を意識したが、新作はアール・デコ/フィルム・ノワール(1920年代)を意識した、と語る徹底ぶりです。「自分はだいたい100年ずれている」と彼は言います。

「速く隠す」から「遅くても保つ」へ

私たちは練習のとき、ついバレないように、速くやってしまいがちです。しかしガイ・ホリングワースの哲学は真逆を向いています。遅くても崩れないメソッドを先に作り、一番おいしい瞬間をきちんと見せ、観客に追いつく時間を渡す。バニッシュを磨き、間を怖がらない。

演技に伸び悩んだとき、スピードを上げる前に、一度うんと落としてみる。名手が長い年月をかけて到達した景色への入口は、案外そこにあるのかもしれません。

第2回「”ゼロから作る”という流儀──独創はどこから来るか」に続きます)

🎧 出典:ポッドキャスト『Desert Island Tricks』ガイ・ホリングワース回(制作:Alakazam Magic)
番組エピソード(Buzzsprout) | Apple Podcasts | Spotify

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価格を見直します。質を、これからも落とさないために。

これからも、本物を
そして、その先へ

スクリプト・マヌーヴァは、世界のマジックを、日本のあなたへ届け続けます。

このたび、2026年8月17日(月)より、一部商品の価格を見直します。
対象はDVD・ダウンロード動画・ダウンロードPDF。紙の書籍は据え置きます。

単なるお知らせではなく、これからも質を落とさず本物を届け続けるための決断として、理由をお伝えします。

私たちが訳に込めてきたもの

海外の優れた作品を日本語にして届ける。
そのとき私たちが読むのは「言葉」だけではありません。演者はどんな間でその一言を発したのか、なぜその技法を選んだのか。手順に込めた哲学ごと訳す。直訳なら一日の作業に、私たちは何日もかけます。映像なら字幕の出るタイミング一つで意図の伝わり方が変わるので、一行ずつ演技に呼吸を合わせます。

「教材を売る」のではなく「ひとりのマジシャンの知恵を、海を越えて手渡す」。この姿勢を、創業以来ゆるめたことはありません。

なぜ、いま見直すのか

一つの作品を選び、時間をかけて訳し、次の本物を仕入れ続ける。その価値を落とさずに続けるには、相応の原資が要ります。この数年、翻訳と監修にかける手間はそのままに、制作を支える費用は着実に重くなりました(外貨建てライセンスの負担増もその一つです)。

これまでは価格を据え置いて吸収してきました。けれど無理を重ねて価格だけを守れば、いつか訳に十分な時間をかけられなくなり、選球眼も狭まり、次の本物を届ける歩みそのものが弱ってしまう。

私たちが守りたいのは、目先の利益ではなく、あなたが手にする一作の質です。今回の見直しは、その質を未来にわたって守るための決断です。

変わらない約束

質は、これからも落としません。

選ぶ眼と、翻訳監修の深さ。価格を見直すのは、その深さを未来も同じだけ保ち続けるためです。

どの形でも「本物」

ダウンロード動画も、PDFも、紙の書籍も、込めた翻訳の質は同じ。デジタルは、すぐ手に入り、何度でも見返せる価値があります。

紙の書籍は、できる限り長く今の価格を守ります

何度も読み返される一冊。私たちはその文化を大切にしたいと思っています。同じ作品に書籍とダウンロード版の両方がある場合、書籍は据え置き、ダウンロード版は改定の対象です。

改定の概要

実施日 2026年8月17日(月)
対象 DVD/ダウンロード動画/ダウンロードPDF
据え置き 紙の書籍・一部商品
現価格での購入期限 2026年8月16日(日)まで

改定はおおむね数百円の見直しです(代表例:ダウンロード動画 ¥2,500→¥2,800、DVD ¥3,500→¥4,000)。 対象商品ごとの新価格・据え置き商品は、下記の一覧ですべて確認いただけます。

▶ 全作品の新価格はこちら(現価格でのご購入は 8月16日(日)まで)

最後に

質を落とさず、次の本物を選び、訳し、お届けする。適正な価値をいただくことで、それを続けられます。いただいた価格は、あなたが次に手にする一作の質としてお返しします。

これまで信頼してくださったこと、心から感謝しています。
これからも本物を訳し、届け続けます。

スクリプト・マヌーヴァ 代表 滝沢敦

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ジュード・ロウ主演のジークフリート&ロイ・ドキュメンタリー映像化

Wild Things — Apple TV+ リミテッドシリーズ 公式キーアート

マジック界に、また大きな光が当たろうとしています。
Apple TV+ が手がけるリミテッドドラマシリーズ「Wild Things」が2026年中に配信開始予定。ラスベガスを席巻した伝説のマジシャンデュオ、ジークフリート&ロイの物語を描く意欲作です。
公開に先立ち、現時点でわかっていることをまとめました。


ジークフリート&ロイとは

ラスベガスを変えた二人

ジークフリート・フィッシャーバッハーとロイ・ホーン(撮影:Carol M. Highsmith)
ジークフリート&ロイ(撮影:Carol M. Highsmith / パブリックドメイン)

ジークフリート・フィッシャーバッハーロイ・ホーンは、ともにドイツ出身のマジシャンです。
1980年代から90年代を中心に、半世紀近くにわたってラスベガスで活動し、約3万回の公演を行いました。
観客動員数は5000万人、チケット売上は10億ドルを超えます。

ラスベガスの老舗ホテル「The Mirage」でのレジデントショーは、とりわけ有名です。
オーナーであるスティーブ・ウィンに招聘されたこのショーは、ホワイトタイガーを用いた演出で世界を驚かせました。
彼らはラスベガスを「家族が訪れる場所」へと変えた立役者でもあります。

エンターテイメント界における功績

二人の存在は、マジックエンターテインメントのスケールを根本から塗り替えました。
それまでの「劇場のマジック」を、巨大なスペクタクルへと押し広げた先駆者です。
ホワイトタイガーをはじめとする希少動物との共演は、一つの時代を象徴する光景となりました。

彼らが証明したのは、マジックが一晩のエンターテインメントではなく、都市の文化そのものになりえるということでした。大型イリュージョンを「ショービジネスの中心」に据えたパイオニアとして、後世のマジシャンたちに与えた影響は計り知れません。

悲劇、そして晩年

2003年10月、ロイ・ホーンは公演中にホワイトタイガー「モンテコア」に首を咬まれ、瀕死の重傷を負います。この事故により、その後のショーは無期限キャンセルとなり、以後再開されることはありませんでした。その後、ロイ・ホーンは2020年に新型コロナウイルスにより逝去。
ジークフリート・フィッシャーバッハーも2021年に逝去しています。

輝かしい記録と、その幕切れの悲劇。
この物語が映像化される意義は、決して小さくありません。


Apple TV+「Wild Things」現時点情報まとめ

ポッドキャストからドラマへ

このプロジェクトの起点は、2022年1月に配信されたAppleオリジナルポッドキャスト「Wild Things: Siegfried & Roy」(全8話)です。
Apple Podcastsほかで配信中ですが、現時点では英語のみの提供となっています。
その後、2022年10月にドラマシリーズ化の開発が発表されました。

2025年5月には主演と正式なシリーズオーダーが発表され、同年秋に撮影が開始。
2026年1月にはラスベガスでの撮影と、ファーストルック写真の公開が確認されています。
全8話・各1時間のリミテッドシリーズで、2026年中の配信が見込まれます。

ジュード・ロー(ジークフリート役)&アンドリュー・ガーフィールド(ロイ役)— Wild Things 撮影現場ファーストルック(2026年1月)
左:ジュード・ロウ(ジークフリート役)、右:アンドリュー・ガーフィールド(ロイ役)
撮影現場にて(2026年1月/出典:TMZ)※著作権は各権利者に帰属

ポッドキャストの内容は、「華やかな伝説の再話」ではなく、ジークフリート&ロイという現象を“事故・名声・私生活・動物福祉・メディアのまなざし”から解剖する作品です。Appleの番組説明でも、2人の私生活、作られたパブリックイメージ、そして悲劇的な閉幕にまつわる謎を、ホストのスティーブン・ラッカートが「舞台裏から掘り起こす構成」だと示されています。

切り口の中心は、やはり2003年のホワイトタイガー事故の再検証です。エピソード1は事故そのものから始まり、以後も USDA の調査、事故映像をめぐる追跡、警察による「誰かが挑発したのではないか」という線、そしてロイ側の説明の揺れまで、かなりサスペンス的に追っています。

ただし、この番組は事故だけを追うのではなく、なぜ彼らがそこまで巨大な存在になったのかも同時に描いています。彼らは約半世紀で3万回のショーを行い、5,000万人を集め、10億ドル超の興行を生んだとされます。その一方で、エピソード3では、1980年代にスター化するにつれて、私生活が噂と嘲笑の対象になっていく内容が前面に出ています。つまり番組の視点は「偉大なスター」一辺倒ではなく、神話化と消費の両方を扱っているのです。

もう一つ重要なのは、動物福祉と安全性の問題です。Appleの番組紹介自体が、2人は動物愛護の立場からも批判されてきた存在だと明記していますし、Guardian の紹介でも、この作品は当初こそ事故の謎から入るものの、後半で動物福祉と安全性を深く掘ると紹介されています。マジック史の英雄譚ではなく、“ホワイトタイガーを舞台に立たせた文化”そのものを問う視線があるのです。

番組の語り口としては、調査報道+人物ドキュメンタリー+一部ミステリー演出に近い構成を取ります。Appleでは スティーブ・ラッカートを「番組制作者およびジャーナリスト」と明記しており、Reddit の本人説明でも彼はこの作品を“内幕に迫る初公開の内容”と位置づけています。なので、純粋な伝記でもファン向け礼賛でもなく、“真相に迫る、聴くノンフィクション”と言える構成でしょう。

ドラマ版キャスト一覧

キャスト役柄
ジュード・ロウ(エグゼクティブプロデューサー兼任)ジークフリート・フィッシャーバッハー
アンドリュー・ガーフィールド(エグゼクティブプロデューサー兼任)ロイ・ホーン
ジャスティン・テルースティーブ・ウィン役(The Mirage創業者)
ブレット・ゲルマンバーニー・ユーマン役(長年のマネージャー)

制作体制

パイロット監督は、マーベルの「ワンダヴィジョン」や「ファンタスティック4:ファースト・ステップ」を監督したマット・シャクマンが担当。
エグゼクティブプロデューサーには、「ダ・ヴィンチ・コード」やドラマ「24」をプロデュースしたブライアン・グレイザーが名を連ねています。

日本での配信について

現時点では、日本向けの公式配信日は発表されていません。
ただし、Apple TV+は日本でもサービスを提供しており、主演俳優の知名度も高いため、配信開始後は日本でも視聴できる可能性は大きいと思われます。


まとめ

マジックは、長い間「見る」ものでした。
しかし、作品を通じて「知る」ことで、同じ一つの演技がまったく違う深みを持ちはじめます。
「Wild Things」は、そうした体験をもたらしてくれる作品になるかもしれません。

ジークフリート&ロイの名前を知っている方は、日本にも少なくないと思います。
でも、彼らがどんな道を歩み、何に賭け、どんな最期を迎えたかを知る人は、まだ多くないかもしれません。
このドラマは、その問いへの一つの答えになるでしょう。

出典・参考リンク


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グランド・イリュージョン/ダイヤモンド・ミッションに関わったマジシャンたち

グランド・イリュージョン/ダイヤモンド・ミッション

映画『グランド・イリュージョン/ダイヤモンド・ミッション』(C) 2025 Summit Entertainment

「マジック・デパートメント」の誕生

マジシャンたちが活躍する人気の映画シリーズ「グランド・イリュージョン」。
マジックを題材にした映画ではこれまでもマジシャンたちが関わってきましたが、今回公開されるシリーズ第3弾は、映画とマジック業界の関係を一段階引き上げた作品として記憶されるかもしれません。

監督のルーベン・フライシャーが最初に宣言したのは、「プラクティカル・マジック」という方針です。
プラクティカルとは「実際に可能な」という意味で、これはいわば「コンピューターグラフィックスに頼らず、現実にあるマジックの原理で成立可能なマジックだけを映画に盛り込む」という宣言でした。その実現のために結成されたのが、映画史上初とされる「マジック・デパートメント」とでも呼ぶべきチームです。

通常の映画では、マジシャンは「技術顧問」として1〜2名が個別に雇われます。しかし今回は、複数の専門家がひとつのチームとして組織され、脚本の開発段階から撮影の現場、そして編集後のポストプロダクションまで、全工程にわたって映画制作に組み込まれたと言います。

チームは大きく二段階に分かれています。
脚本段階のアイデアを担う「スクリプト・チーム」と、ハンガリーのブダペストでの撮影現場に常駐した「オンセット・チーム」です。この体制を提案したのが、後述するランディ・ピッチフォードでした。

以下、各人物の役割と経歴を詳しく紹介します。


「マジック・デパートメント」を設計した男

ランディ・ピッチフォード(Randy Pitchford)

役職:マジック・デパートメント統括/マジック・キャッスルオーナー

ランディ・ピッチフォード

本作のマジック・デパートメント全体を設計・統括した人物です。「ボーダーランズ」シリーズで知られるゲームスタジオGearboxの創業者として有名ですが、実は彼にはマジシャンとしての顔も持ちます。

彼のマジックとの縁はその血筋にあります。ピッチフォードの大叔父にあたるのが、20世紀の名マジシャン、カーディニ(本名 Richard Valentine Pitchford)です。カーディニは1920年代から50年代にかけて活躍し、カードや四つ玉、シガレットなどのマニピュレーションを現代マジックの定番技法として世界に広めた伝説的な存在です。

ピッチフォード自身も学生時代からプロとしてマジックを演じ、ゲーム業界に転身してからも、ロサンゼルスの会員制マジッククラブ、マジック・キャッスルの熱心な会員であり続けました。

2022年4月、ピッチフォードはこのマジック・キャッスルを長年の所有者であったグローバー家から購入、新オーナーとなりました。購入の背景にはコロナ禍と過去の火災による経営難があったようですが、ピッチフォードの決断はデビッド・カッパーフィールドやペン・ジレットらトップマジシャンたちから絶賛されました。さらに彼はマジック専門誌Geniiの発行人でもあり、業界の情報とネットワークを一手に握る存在です。

本作への関与は2023年12月、プロデューサーのイーサン・スミスからの一本の電話に始まります。スミスは以前にGearboxと「ボーダーランズ」の映画化でも仕事をしていた縁がありました。ピッチフォードは単なる「技術顧問の紹介」ではなく、「マジシャンたちによる独立した部門を制作チームに組み込む」という前例のないアプローチを提案。「私たちが目指したのは映画史上初の”マジック・デパートメント”を制作チームに埋め込むこと。開発から撮影準備、毎日の撮影、ポストプロダクションまで全段階に関わった」と語っています。

参考:MovieMakerGenii MagicWild About Houdini


脚本を書いたマジシャンたち(スクリプト・チーム)

ジム・スタインマイヤー(Jim Steinmeyer)

役職:スクリプト・フェーズ マジック開発コンサルタント

ニューヨーク・タイムズが「現代マジシャンたちを支え続けてきた影の発明家・デザイナー・創造的頭脳」と呼んだ人物です。スタインマイヤーは表舞台に立つマジシャンではなく、偉大なマジシャンたちのために「舞台裏で魔法を設計する人」です。

その仕事の規模は圧倒的です。デビッド・カッパーフィールドの「自由の女神の消失」(1984年テレビ特番)の仕掛けを考案したのも彼であり、ブロードウェイのディズニー版「美女と野獣」での野獣の変身シーン、「メリー・ポピンズ」のカバンから荷物が次々出てくるシーン、「アラジン」の魔法のカーペット——これらはすべて彼のイリュージョン設計によるものです。ダグ・ヘニングのブロードウェイ公演2本・テレビ特番4本でもイリュージョン・デザイナーを務め、ジークフリート&ロイ、ランス・バートン、オーソン・ウェルズら伝説的な名前が顧客リストに並びます。

マジック史に関する著書も多数あり、「ゾウを消せ—-天才マジシャンたちの黄金時代」はロサンゼルス・タイムズのベストセラーになっています。2018〜2020年にはマジック・キャッスルの会長も務め、2024年にはアカデミー・オブ・マジカル・アーツからライフタイム・アチーブメント・フェローシップを受賞しました。

脚本チームの中でハルブルックスは彼をこう紹介しています。「ジムはGenii誌の読者には紹介不要の伝説だ。舞台マジックのデザイナー、作家、歴史家、その頭脳は幾何学とミステリーで動いているようだ」。

本作での役割は脚本段階のイリュージョン設計の哲学的・技術的支柱です。実際に監督が「それは不可能では?」と疑問を呈したアイデアを、スタインマイヤーがズームミーティング上でダンボール模型を使いながらその場で実証した、というエピソードが紹介されています。

参考:jimsteinmeyer.comGenii MagicWikipedia


トビー・ハルブルックス(Toby Halbrooks)

役職:スクリプト・チーム 物語構造担当コンサルタント

トビー・ハルブルックス

映画プロデューサー・脚本家・監督と、映像業界の内側を知り尽くしたマジシャンです。ピッチフォードとは古くからの友人で、「夢のコンサルタント・リスト」を考える際にまっ先に前が挙がった人物のひとりでした。

彼自身の言葉によれば、スクリプト・チームでの自分の役割は「物語の感情的な背骨を見つけ、それぞれのマジックトリックの裏にある人間的な意味を構造として整理すること」だったといいます。言い換えれば、マジックの「仕掛け」を考えるのではなく、「そのマジックが物語の中でなぜ機能するのか」という脚本的な文脈を担当しました。映画制作者の論理とマジシャンの論理が衝突する場面での橋渡し役として、不可欠な存在でした。

また、本作の制作の舞台裏を業界向けに詳述した記事「Now You See It… Behind the Scenes」をGenii Magazineに執筆しています。

参考:Genii Magic(ハルブルックス自身による記事)


ジャレッド・コフ(Jared Kopf)

役職:スクリプト・チーム参加+現場代替要員(2回)

ジャレッド・コフ

テキサス州ダラスを拠点に、劇場・映画・テレビ向けの実践的なマジックエフェクトを手がけるマジシャンです。クラシックなカードマジックの名手で、ダイ・ヴァーノン系譜の継承者ボブ・ホワイトに師事。「マジックはマジシャンが技術を誇示するものではなく、観客が不思議を体験するもの」という哲学を大切にする、人間的な温度感を持つパフォーマーとして業界で知られています。

ハルブルックスはコフを「アイデアそれぞれに人間的な肌触りをもたらした、パフォーマーとしての本能の持ち主」と評しています。

脚本段階での参加に加え、オンセット担当のベン・サイドマンが既存の出演契約のために現場を離れざるを得なかった際に、代替要員として撮影現場にも入りました。

本作でもっとも引用されるマジシャンの発言のひとつが彼の言葉です。「マジックをシーンに”追加”することはできない。マジックがあって初めて成立するシーンを書かなければならない」。これはマジックが映像作品においていかに扱われるべきかを端的に表した言葉として、制作チーム全体の共通認識となりました。

参考:One Ahead(サイドマン本人インタビュー)jaredkopf.com


現場を動かしたマジシャンたち(オンセット・チーム)

ベン・サイドマン(Ben Seidman)

役職:俳優へのマジック指導 主担当

ベン・サイドマン

Vanity Fair誌が「スライト・オブ・ハンドの専門家」と紹介するロサンゼルス在住のマジシャン・コメディアンです。

映像コンサルタントとしての実績は豊富です。クリス・エンジェルのA&Eテレビシリーズ「Mindfreak」では3シーズンにわたってイリュージョンを設計し、映画「ジャッカス」ではジョニー・ノックスヴィルにマジックを指導。ラスベガスのマンダレイ・ベイ・リゾート&カジノで史上唯一の専属マジシャンに指名された経歴も持ち、マカオのベネチアンでは120回の公演という記録も残しています。「Penn & Teller: Fool Us」にも2回出演しています。

本作での主要任務は俳優陣へのマジック指導です。撮影前にロサンゼルスで集中セッションを行い、ブダペストの現場でも継続的に指導にあたりました。サイドマンはインタビューでこう語っています。

「私たちマジシャンが無意識にやっていることをすべてゼロから分解しなければならない。カードの持ち方ひとつ、目線の動かし方ひとつ、すべてを言語化して教えた。理論上は誰にでも教えられるはずだが、実際には何年もの練習が自然な動きを生んでいる。俳優がマジシャンに”見える”ようにするための最大の課題は、そのギャップをどう埋めるかだった」

この言葉は、映画の「嘘」ではなく「本物のマジック」にこだわった今作の制作姿勢を端的に表しています。

参考:One AheadWikipediabenseidman.com


ジョン・ロビック(John Lovick)別名「ハンサム・ジャック(Handsome Jack)」

役職:現場での演出監督的コンサルタント

アメリカのマジシャン・作家・演出家。マジック・キャッスルの理事を歴任し、2016年にパーラー・マジシャン・オブ・ザ・イヤーを受賞しました(13回ノミネートの末)。マジック・キャッスルではパーラー・マジックのカテゴリーが独立した部門として格式を持っており、その最高賞を受賞したことは業界での評価の高さを示しています。

ロビックは南カリフォルニア大学演劇学部の非常勤講師でもあり、マジシャンとしてだけでなく演劇の理論と実践にも精通しています。2022年にはアシ・ウィンドのオフ・ブロードウェイ公演「Inner Circle」をジャドソン・シアターで演出し、好評を博しました。MAGIC誌・Genii誌では副編集長も務め、マジックに関する著書・製品も多数リリースしています。

現場での役割は「演出監督的なポジション」——カメラとの角度の整合性、イリュージョンの見せ場の構成、俳優の動きとトリックのタイミングを総合的に監督しました。追加撮影が発生した際に、監督が「2時間後に新しい印象的なマジックシーンが必要だ」と突然伝えてきたことがあり、ロビックが現場へ向かう車中の15分間で5つのアイデアを考案し、監督がそのひとつを採用。タロットカードを使ったライジング・カードのルーティンとしてシーンに収められたというエピソードが紹介されています。

彼の著作「ハンサム・ジャック:エトセトラ」はスクリプト・マヌーヴァから邦訳版が出版されています。

参考:WikipediaGenii Magic


ニルス・ベネット(Nils Bennett)

役職:オンセット・コンサルタント

ニルス・ベネット

ブダペストの撮影現場に参加したオンセット・チームの一員。サイドマン、ロビック、ベネットの3名が現場の中核コンサルタントとして機能し、役割は「書類上では明確に分担されていたが、実際にはたえず重なり合い、流動的に変化した」とサイドマンは語っています。

参考:One Ahead


レア・カイル(Léa Kyle)

役職:オンセット・コンサルタント

レア・カイル

フランス・ボルドー出身のマジシャン。クイック・チェンジのアクトが代表作で、2019年にフランス・マジック選手権でフランス・チャンピオンを獲得。2021年にはアメリカの大人気オーディション番組「America’s Got Talent」でゴールデン・ブザーを獲得し、ファイナルでトップ5入りを果たしました。ペン&テラーの「Fool Us」では見事にFoolerとなった経験も持ちます。そして2025年には、FISMのジェネラルマジック部門で第1位に輝きました。

本作ではGenii誌の記事に名前が挙がっており、ブダペストの撮影現場チームの一員として「波のように入れ替わりながら」参加したメンバーの中に含まれています。

参考:Genii Magicleakyle.comWikipedia


監督の目に留まったパフォーマー型コンサルタント

ヘルダー・ギマレス(Hélder Guimarães)

役職:コンサルタント(監督の「マジック観」を形成した存在)

エルデル・ギマランイス

ポルトガル出身。マジシャンの父を持ち、3歳で初めてマジックを披露したというプロフィールを持ちます。後にドラマ・アーツの大学教育を受け、演劇的な物語性とスライト・オブ・ハンドを融合させた独自のスタイルを確立しました。

2006年、23歳でFISM(国際マジック連盟)のカードマジック部門において世界最年少チャンピオンとなりました。マジック・キャッスルのパーラー・マジシャン・オブ・ザ・イヤーを2011・2012年に連続受賞。ニール・パトリック・ハリスが演出したオフ・ブロードウェイ公演「Nothing to Hide」(2012〜13年)がニューヨークで110回以上のロングランを記録し、国際的な評価を確立しました。コンサルタントとしてはNBC、Disney、Warner Brosの作品に関与し、映画「オーシャンズ8」ではサンドラ・ブロックとケイト・ブランシェットにマジックの個人指導をしています。

監督のフライシャーがマジック・キャッスルで彼のパフォーマンスを観て衝撃を受け、コンサルタントとして迎えた経緯があります。ギマレスが体現する「マジックは欺きではなく啓発の手段だ」という哲学が、今作が「プラクティカルで知的なマジック」を目指す方向性に大きなインスピレーションを与えました。

彼のマジックやマジック創作の思想は日本語でも紹介されています。

参考:TIME MagazineWikipediaGeffen Playhouse


アラン・ナシフ(Alan Nassif)別名「アル・ナズ(Al Naz)」

役職:サブコントラクト・マジック・コンサルタント

アラン・ナシフ(Al Naz)

ロサンゼルスを拠点とするクローズアップ・マジシャン。デビッド・ブレインのABC特番「David Blaine: The Magic Way(2020年)」、ペン&テラーの「Fool Us」、「America’s Got Talent」などでマジック・コンサルタントを歴任してきました。複数の著名テレビ番組での経験を持つ実務派コンサルタントとして本作に参加しました。

参考:IMDb(Alan Nassif Biography)


この映画が業界にとって持つ意味

本作とマジック業界との関わりの特徴は、「個人のコンサルタント起用」から「チームとしての部門化」という質的転換にあります。ランディ・ピッチフォードの提案により、マジシャンたちは単なる「アドバイザー」ではなく「制作部門」として映画に統合されました。脚本を書く段階からマジシャンが参加し、「マジックがあって初めて成立するシーンを書く」という製作スタイルの転換が、過去2作との差異化を生んでいるのかも知れません。

ハリウッド大作の一翼を、マジシャンたちがその根本から担うという興味深い時代が来ていますね!


日本公開情報

邦題グランド・イリュージョン/ダイヤモンド・ミッション
原題NOW YOU SEE ME: NOW YOU DON’T
日本公開日2026年5月8日(金)
日本配給KADOKAWA
米国公開日2025年11月14日(Lionsgate配給)
公式サイト(日本)https://movies.kadokawa.co.jp/grandillusion/
公式X(旧Twitter)https://x.com/GI4HM
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来日マジシャンらのタイトルを 特別価格で!

2022年9月20日より東京・六本木でオズマンド・ウルトラ・マジック・フェス2022が開催されます。FISMチャンピオンを始めとする国内外の一流マジシャンたちのアクトをライブで体感できる滅多に無いレベルのイベントがついに開催!

参加マジシャンもヘクター・マンチャ(FISM2015グランプリ)、ユ・ホジン(FISM2012グランプリ)、ミゲル・ムニョス(FISM2018グランプリ)らに加え、緒川集人 (FISM2022 第1位)や岩根佑樹(FISM2018 第3位)、レナート・グリーンが唯一の弟子として認めた高橋匠らなど最高のラインナップ。これはもう観に行くしかありません(スクリプト・マヌーヴァも通訳として参加させて頂きます)。

今回はこのイベントにあわせ、来日するマジシャンおよび関わりの深いマジシャンのタイトルを期間限定でセールいたします。

期間:2022年9月17日(土)〜9月25日(日)
割引:20%OFF
対象商品:ヘクター・マンチャやケビン・ジェームスなど、関連マジシャンたちの作品(詳しくはこちらのリンクをご覧ください)

対象商品(一部)

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F.I.S.M.開催記念セールを実施!

さあ、3年に一度のF.I.S.M.がやってきました!
本来は昨年開催の予定でしたがコロナ禍で延期…。前回の釜山大会では日本人マジシャン3人が入賞という横浜大会以来の展開がありましたが、今年はどんなドラマが待っているのでしょうか。

FISMとは?

3年に1度開催される、マジック界最大のコンベンション。毎回一週間近く開催され、200組近いコンテスト、100店以上のブース出展、連日のゲスト・ショーやレクチャー、ワークショップなどが深夜まで行われる。

毎回主催国が変わり、今年はカナダのケベックシティで開催。日本人のコンテスタントも出場しており、その結果に注目が集まる。


ここで受賞するということは、世界中のマジシャンからその力を認められたということ。スクリプト・マヌーヴァでは、そんな受賞者たちの作品を多く扱っています。中にはF.I.S.M.で受賞したアクトをそのまま解説しているものも!
このたびF.I.S.M.開催を記念して、F.I.S.M.ウィナーたちのタイトルを期間限定セールいたします。

期間:2022年7月26日(火)〜7月31日(日)
価格:20%OFF
対象商品:以下の受賞マジシャンたちの作品
 マジシャン名をクリックすると対象作品のリストが表示されます。
 「20%OFF」マークが出ていない一部商品は除きます。

エバーハード・リーゼ受賞歴はないものの、コーチとしてFISM受賞者を複数輩出
カール・クロティエ1994年 横浜大会 マイクロ部門1位
キコ・パスツール2006年 ストックホルム大会 カード部門3位
グレゴリー・ウィルソン2000年 リスボン大会 カード部門3位
2003年 デン・ハーグ大会 カード部門2位
ジェフ・マクブライド2018年 釜山大会 特別部門 セオリー&フィロソフィー
ダロー1982年 ローザンヌ大会 カード部門1位
トパーズ1988年 デン・ハーグ大会 マニュピレーション2 位
1991年 ローザンヌ大会 マニュピレーション2位
トミー・ワンダー1979年 ブリュッセル大会 マイクロ部門1位
1988年 デン・ハーグ大会 ジェネラル部門2位
ピット・ハートリング1994年 横浜大会 カード部門2位
ヘクター・マンチャ2015年 リミニ大会 ステージ部門グランプリ
ヘルダー・ギマレス2006年 ストックホルム大会 カード部門1位
ホアン・タマリッツ1970年 アムステルダム大会 マイクロ部門2位
1973年 パリ大会 カード部門1位
ポール・ガートナー1985年 マドリード大会 マイクロ部門1位
マイケル・アマー1982年 ローザンヌ大会 マイクロ部門1位
ヤン・フリッシュ2012年 ブラックプール大会 クロースアップ部門グランプリ
2012年 ブラックプール大会 モースト・オリジナル・アクト
ヨハン・スタール2009年 北京大会 マイクロ部門3位
2012年 ブラックプール大会 パーラー部門2位
レナート・グリーン1991年 ローザンヌ大会 カード部門1位
ロベルト・ジョビー1988年 デン・ハーグ大会 カード部門2位
1991年 ローザンヌ大会 カード部門2位
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小石川文庫 x スクリプト・マヌーヴァ コラボキャンペーン!

先日、小石川文庫様よりガイ・ホリングワースの名著『Drawing Room Deceptions』の日本語版が発売されました!すごい!

ガイ・ホリングワースは私も大好きなマジシャンですし、その映像の日本語版もスクリプト・マヌーヴァで製作し取り扱っています。ということで、今回のコラボキャンペーンとあいなりました!

キャンペーンの概要は以下の通り。

・『Drawing Room Deceptions』を購入された方は、ガイ・ホリングワースの映像作品(DVD版およびダウンロード版)を特別価格でお買い求めいただけます。
・ガイ・ホリングワースの映像作品(DVD版およびダウンロード版)を購入された方は、『Drawing Room Deceptions』を特別価格でお買い求めいただけます。

詳しい内容は次の通りです。

『Drawing Room Deceptions』をご購入いただいた方

小石川文庫にて『Drawing Room Deceptions』を購入された方は、弊社サイトにて対象商品のご購入時にクーポンコードをご入力いただくことで、特別価格でご購入いただけます。

クーポンコード:日本語版『Drawing Room Deceptions』の224ページで、一番最初に出てくる単語をカタカナでご入力ください。
クーポン内容:20% OFF
期間:2022年7月17日〜7月31日
対象商品:『ロンドン・コレクション』『ルーティンズ』『リフォーメーションズ』(DVD版およびダウンロード版)
※お一人様1回のみ。
※他割引との併用はできません。

ガイ・ホリングワースの映像作品をご購入いただいた方

スクリプト・マヌーヴァにてガイ・ホリングワースの映像作品を購入された方は、小石川文庫にて『Drawing Room Deceptions』のご購入時にクーポンコードをご入力いただくことで、特別価格でご購入いただけます。

ご購入ページ:https://magic.theshop.jp/items/64726930
クーポンコード:弊社でガイ・ホリングワース作品(『ロンドン・コレクション』『ルーティンズ』『リフォーメーションズ』(DVD版およびダウンロード版))をご購入頂くと、ご購入確認メールおよび「MY PAGE」>「ダウンロード」内に追加されるPDFファイルに記載
クーポン内容:2,000円 OFF
期間:2022年7月17日〜7月31日
※お一人様1回のみ。


ガイ・ホリングワースは10代のころに発表したリフォーメーションズからずっと、至高の存在であり続ける希有なマジシャンです。彼の主要な作品も、これで書籍映像と出そろいました。どうぞ、ガイ・ホリングワースの素晴らしい世界を存分にお楽しみください。

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新企画『1 on 1 フィードバック』モニタ募集

ただいまスクリプト・マヌーヴァでは、新しい企画「1 on 1 フィードバック」を進めております。
今回はその正式リリースに先立ち、無料で参加して頂けるモニタ様を若干名募集いたします。

こんな方のための企画です

  • 自分のマジックをよりよくしたい方
  • 面白いマジックやアクトができたけど、それをどう改善していけばいいか、プロのアドバイスが欲しい方
  • どうすれば、より面白く、不思議にできるのかプロのアドバイスが欲しい方
  • 一般論ではなく、あなたの自身の演技やマジックに対するオーダーメイドのアドバイスが欲しい方

『1 on 1 フィードバック』とは

自分の演技動画をプロマジシャンの講師に送り、直接アドバイスを受けることのできるオーダーメイドのサービスです。

1つの演技やマジックに対し、以下のフィードバックを受けることができます。

  • 送って頂いた動画を元に、講師より動画でのフィードバック(5分以上)
  • フォローアップとして、フィードバック後の質問応答(メールにて3つまで)
  • スクリプト・マヌーヴァよりの総評(レーダーチャート付き)

プロのアドバイスを直接受けることにより、お客様のアクトやマジックをより向上させる助けとしていただきたいと思っています。

価格:20,000円〜30,000円を予定。

『1 on 1 フィードバック』の流れ

  1. アドバイスを受けたいアクトやマジックの動画を撮影していただきます(10分以内)。
  2. アドバイスを受けたい講師を選択します(正式サービスでは選択できますが、今回のモニタ募集では選択いただけません)
  3. その動画に以下の項目を添えてお申し込みいただきます。これは、お客様が目指すところや、アクトやマジックの目的などをお知らせいただくことによって、お客様が気になっている部分へのフィードバックをより正確に行うためです。
  • 「演技の目的」
    そのアクトやマジックはどのような目的で作られましたか?プロとして通用するマジックにしたい、やコンテストで上位に入るため、単純に不思議なマジックとして磨き抜くため、といった内容をお書きください。
  • 「演技でやりたかったこと」
    こだわった部分や、どのような問題を解消したくてこのようにした、といった内容をお書きください。
  • 「解決したい問題点、課題」
    現在認識していらっしゃる問題点や、改善したい部分、解消したい問題点などがあればお書きください。
  • 「演技動画リンク」
    Youtubeへのリンク、GigaFile便などの大容量ファイル送信サービス、Dropboxリンクなど、動画を視聴もしくはダウンロードできるリンクをお送りください。
    フォーマット:mp4形式、mov形式
  1. お申し込み後、1週間以内に「フィードバック動画」と「スクリプト・マヌーヴァよりの総評」をお送りします。
  2. その内容を受け、フォローアップとして追加の質問を3つまでしていただけます。
    質問お送り先:[email protected]
    件名:フィードバック質問
  3. さらに1週間以内に、講師による質問への回答をメールでお返しいたします。

講師紹介

ポン太・ザ・スミス

オリジナルDVD『SICK』の世界的ヒットによって、コインマジシャンとして一躍注目を集める。以来、様々な国に招かれショーやレクチャーを行っている。高度なコインマジックはテレビでも何度も取り上げられている。

アルス

仕掛けを使わない指先のテクニックのみで行なうスライハンドカードマジックを得意にする。

中でも、高い技術を必要とする「ギャンブリング(いかさま)テクニック」や「フラリッシュ」を応用したカードマジックは専門家の評価も高い。

野島伸幸

既存の枠にとらわれない自由な発想と、緻密な手順構成に定評がある。
マジックを完成させるスピードの速さを活かし、観客品物を受け取り、その場でオリジナルマジックを創り出す「即興マジック」を得意としている。

代表作のC3(Center Color Change)は海外にもリリース。海外講演も行い、世界中で活動を行う。

世界大会を含む数多くのコンテストに出場しており、数々の受賞歴を残している。

JONIO

奇妙なヒゲのマジシャン。ヒゲを使ったマジックで世界各国のショーやTVに出演。

卓越したスキル、唯一無二の独創性、日本人離れしたパフォーマンス力を併せ持つ、国内では稀有な存在。

国内外のコンテストで多数受賞する専門性の高さ、国内外のVIPショーに招致される実践経験の豊富さから、マジックへの深い造詣を評価され、国内大会では審査員を務める。

モニタキャンペーンの内容

  • 本サービスで予定されています内容を、モニタ参加という形で無料で受講して頂けます。
  • その代わり、全行程終了後にお送りするアンケートへのご返送をお願いいたします(お申し込みの時点でアンケート返送に同意いただいたものとします)。
  • 応募者の中から3名様までを抽選でモニタ様とさせていただきます。モニタ当選者様へのご連絡をもって、当選の発表と替えさせて頂きます。
  • 今回は講師をお選びいただけません。
  • 演技動画は本サービスのみに使用し、それ以外の用途には使用しません。

キャンペーン実施要領

応募期間 2022年6月22日(水)〜6月30日(木)
上記の期間中に、以下のフォームにご記入頂き、ご応募ください。
その後、1週間以内にフィードバック動画を返送いたします。
フィードバックを受けたうえでの質問を3つまでお知らせください。
質問への回答(メール)をお送りいたします。
終了後にお送りするアンケートにお答えいただきます。

ご応募



















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    リチャード・オスタリンド オンラインレクチャー レビュー(キシタカ様)

    先日行いましたオンラインレクチャーのレビューを頂きましたので、こちらに掲載させていただきます。投稿していただいたキシタカ様、ありがとうございます!

    イベント:リチャード・オスタリンド オンラインレクチャー
    日時:2022年4月9日
    投稿者:キシタカ様(Twitter:@Kishitaka_Magic)

     去る4月9日、メンタル・マジックの巨匠リチャード・オスタリンド師の日本初となるレクチャーにオンラインで参加する機会に恵まれました。
     主催は、マジック関連書籍・DVDの日本語訳でプロ・アマ問わず多くの日本人マジシャンがお世話になっているスクリプト・マヌーヴァ社。

     僕はメンタル・マジックはほぼ演じないのですが、
    「本当に不思議で、しかも楽しい」
    「明るく笑える雰囲気のメンタル・マジック」
     と聞いて俄然興味を惹かれ、受講を決めました。

     事前に告知されたプログラム
    ・センターテアとブレイクスルー・カードシステムの深掘り
    ・最新のメンタル・マジック
    ・「どのようにメンタルマジックをエンターテイメントにするか」
    ・質疑応答
     に沿って感想を書いて行こうと思ったのですが、センターテアとブレイクスルー・カードシステムに関しては、裏側に触れずに良さを表現するのは難しいですね…

    【センターテア】

     師は普段からセンターテアに適したサイズのメモ帳をポケットや鞄に入れているそうですが、
    「オン・オフ問わずいつでも演じる」
     とのこと。
     イベント会場などの場合、ショーでは勿論のこと歓談の時にも相手が変わる度に演じ、1日でメモ帳を4〜5冊消費したこともあると言うことですから、それこそ数千回は演じて来られたまさしく“現場プルーフ”なトリックですよね。

     その様な師からの
    「トリックの都合上、観客に指示を出す際の理由付け」についての質問に対する
    「これまで同様の質問を多く受けて来ましたが、その様な場合の理由付けは特に必要ないと考えています。
     演技が滞りなく進んでいれば、観客に疑問を持たれることはありません。」
     と言う回答には、説得力がありました。
     往々にして、最近は理論偏重の傾向があり実際に演じる(さらには練習する)前から先回りした予防線を考えてしまいがちですが、そう言うことは理屈よりも「まずやってみること」が大事なのかも知れませんね。

    【ブレイクスルー・カードシステム】

     システムの詳細と、さまざまな利用法が紹介されました。

     スタック・デックに馴染みのない自分にはシステムを使いこなす自信がありませんが、ジャンボ・カードを使った、観客が抜き取った数枚のカードを読み取ってしまう『カード・コーリング』は大勢の観客に対しても演じることができ、大上段に構えたいかにも「メンタルマジック!」と言う雰囲気を作らずとも演じられるため、システムを身に付けることができれば、比較的(シチュエーションを選ばないと言う意味で)採り入れ易いトリックなのではないかと感じました。

     上記2つに関して唯一残念だったのは、今回のレクチャーの形式上、実際の観客(ないし観客役)を相手にした実演パートが無かったこと。
    「いま解説された手順を、頭から流れで見せていただけますか?」
     と言うリクエストがありましたが、おそらく演技の中での台詞とハンドリングの実際のタイミングなどを見たかったのではないかなと…。

    【最新のメンタル・マジック】

     こちらに関しては、特に「今からレクチャーするのは新作です」と言うパートは無かった様に思うのですが、記憶違いでしたら申し訳ありません。
     ただ、名刺を使った“簡易版センターテア”とも言うべきトリックはよりフットワークが軽く演じられるため、今後ショーでセンターテアを演じてみたい人が経験を積むのに適しているのではないかと思いました。

     また、小品トリックといった雰囲気で実演解説があったZIPPOを使ったサイコキネシスのデモンストレーションは、火を使える環境ならば重宝しそうですね。

    【「どのようにメンタルマジックをエンターテイメントにするか」および質疑応答】

     一人一人の質問になるべく丁寧に答えたいと言うオスタリンド師の紳士で真摯な姿勢が伝わって来ました。
     3時間の予定が90分近く延長したのも、その表れだと思います。

    「メンタル・マジックとコメディの相性」についての質問に答える際、「ジョークを交えたトークで場を和ませるタイミング」の実例としてスプーン曲げをサラッと演じられたのですが、それ単体でレクチャーを受けたいと思ったのは僕だけではない筈。

    ※ちなみに師のスプーン・ペンディングは、スクリプト・マヌーヴァ【マインド・ミステリーズ 日本語字幕版 第3巻】に収録されています。


     最後に、質疑応答の中で1番印象に残ったお話を紹介して、僕の拙い感想文の筆を置きたいと思います。

    「あなたが(メンタル)マジックを演じるにあたり、特異なキャラクターを作る必要はありません。
     現在、地球上には78億人が暮らしており、それぞれ個性を持っています。
     そこに1つ新たなキャラクターを足したところで、どれ程の意味があるでしょうか。
     あなたはあなたのままでいるべきです。」

    リチャード・オスタリンド
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    アルマンド・ルセロのマジックを学ぶ3つの方法

    マジシャンをやっていれば、誰でも不思議なマジックがしたいと思うものです。もう少し進むとそれでは足りず、自分の世界を演技の中でしっかり表現したい、と思うようになる人も多いと思います。しかし実際は、とても不思議でアーティスティックな演技…というのは言うは簡単ですが、実際に作り上げるのは至難のわざでしょう。

    それを実現しているマジシャンがいます。それがアルマンド・ルセロ。彼はあまりメディアには出ていませんが、すべての行動に意味を持たせる手順構成と時折交える超絶技巧、そして上品で知的な語り口で進める演技をもって、現代の名人の一人に数えられています。

    そういった彼の思考やマジックを学びたいと思う人は多く、実際に彼も少人数のワークショップを定期的に行っています。数日間の集中的なレッスンは非常に濃厚で、深い満足感と学びを得られるものとしてとても評価されています。

    しかしそれを受講しようとすると、ラスベガスまで行かなくてはならず、また受講費も数百〜千ドルを超えてくるので、ハードルが高いのも事実。

    もう少し手軽に彼から学ぶ方法はないものか…と思われる方のために、彼のオンライン・コースをご紹介します。英語にはなってしまいますが、アルマンド・ルセロが現在最も情熱をもって取り組んでいるコンテンツを毎月定期的に購読することができます。

    The Hungry Imagination

    それがハングリー・イマジネーションです。

    毎月20ドルのサブスクリプション型のサービスで、これに申し込むと以下の内容を見ることができます。

    ・多数あるコラムは読み放題
    ・毎月1つの手順を動画と文章で解説。

    ここで特筆すべきなのは、解説部分の内容です。
    彼はマジックに「認識工学(Perceptual Engineering)」という考えを取り入れており、人はどういうことをされたときに錯覚するのか、どう思い込むのか、記憶を混同するのかということを多角的に研究しています。
    それを意図的に起こすには何をすれば良いのか、を実際の手順に落としこむことで強烈な不思議を生み出しているですが、その意図と考えをしっかり解説してくれるのです。
    彼がなぜそこでそういう動きをするのか、その思考と意図を学べる貴重なコンテンツです。
    過去のコンテンツも1ヶ月分ごとに20ドルで追加購入することができます。当たり外れが分からないマジック道具を数千円で買うことを思えば、破格の値段と言えるでしょう。

    トップページを下にスクロールすると出てくる JOIN の項目から申し込みをすることができます。

    1 on 1 オンラインワークショップ

    ちなみにアルマンド・ルセロは一対一でのワークショップもオンラインで受け付けています。こちらは別サイト(https://armandolucero.com/)からの申し込みとなります。

    コースがいくつかあり、そこで所定の内容を学べる他、ここ以外では公開していないどんな質問も受けてくれるとのこと。60分のセッションを数回行う形になるようです。またラスベガスでの対面でのレッスンも行っており、一対一で半日のレッスンx5日間(コースによって異なる)などになるようです。

    その詳しい内容はサイトをご覧いただくとして、気になるお値段の方は…(下記の内容は2022年4月時点のオンラインコースのものです)

    メタル・クォーク 60分x5回 $500
    ペーストボード・デバイス 60分x6回 $1,400
    コイン・マナジェリー 60分x16回 $3,500
    ペーパーカット 60分x6回 $1,400


    というわけで今回は、稀代の名人アルマンド・ルセロの思考とマジックを学ぶ方法をいくつかご紹介いたしました。

    上記のサブスクリプションサービスとワークショップは英語となりますが、英語はちょっと…という方に朗報です。

    ワークショップの中にリストされている「ペーパーカット」のコースは、DVDとしてまとめられ、販売されているのです!しかも、日本語版があるという…!この内容をご自宅でいつでも何度でも見られるなんて、なんと良い時代になったのでしょう!(宣伝)。こちらも、よろしければチェックしてみてください。

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    レビューを書いてレクチャーに無料ご招待!

    4月9日(土)に行いますリチャード・オスタリンド・オンラインレクチャーにつきまして、3名様を無料でご招待いたします!

    ただし今回の無料ご招待は、以下のお願いを満たして頂ける方を対象にさせてください。

    条件

    • 当日オンタイムで参加可能な方
    • イベント終了後、ブログなどへのレビュー投稿(一週間以内、1,000文字以上)を確約して頂ける方(ブログなどのメディアをお持ちでない方は、後日弊社のコラムにて掲載させていただきます)

    なおすでにチケットをご購入された方が当選された場合、代金は全額返金いたします。

    応募方法

    件名を【レクチャー無料招待申し込み】として、以下の情報をメールで弊社([email protected])までお送りください。

    • お名前(ハンドル名も可)
    • ブログなどのメディアをお持ちかどうか
    • お持ちの場合は、そのURL

    応募期間:2022年4月3日(日)まで
    当選発表:2022年4月4日以降、当選者様に直接ご連絡いたします。

    たくさんのご応募をお待ちしております!

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    デビッド・ブレインがDisney+で新番組を製作中

    デビッド・ブレインが動画配信サービスDisney+で新番組を製作するようです。
    タイトルは“Beyond Belief With David Blaine”(原題)。単体のテレビスペシャルではなく、3話のシリーズものになるとのこと。

    デビッド・ブレインと言えばこれまで9本のテレビ・スペシャルがあり、映画俳優などの有名人にマジックを演じるタイプのものや、長時間氷漬けになるなどの耐久もの(?)が有名です。

    今回はそれらとは異なり、世界中を旅して各地の人々や文化に眠る不思議を探求するドキュメンタリーのようです。

    「世界を巡り、そこにいる驚異的な人々(マジシャンはもちろん、シャーマンや苦行僧など)を訪ね、彼らが行う医師や科学者が不可能と断じるような事柄を追う」内容とのこと。

    気になるのが配信開始日ですが、アメリカでの開始日もまだ発表されていません(年内には開始予定とのこと)。ということなので、日本での配信も未定です。

    一応、多くはありませんが、字幕のない状態で日米同時に配信されたコンテンツもあるので、もしかしたら早めに見られるかもしれません。

    今はNetflixやDisney+で海外のマジック番組が楽しめるようになりましたね。以下、現在配信されているマジック番組の一部をリストしました。

    古き良き?マジシャンがストリートで人々にマジックを演じていくシリーズです。
    ジャスティン・ウィルマンの人生はマジック(Netflix:日本語字幕版)
    人生はマジック:スペイン編(Netflix:日本語字幕版)

    ダレン・ブラウンの作品もいくつか配信されています。
    劇場で演技しているものや、人の心理を誘導して「通常では絶対しない特定の行動を起こせるか」に挑んだ実験的なドキュメンタリーです。
    ミラクル(Netflix:日本語字幕版)
    ザ・プッシュ(Netflix:日本語字幕版)
    サクリファイス(Netflix:日本語字幕版)

    デビッド・ブレインの前回のスペシャル番組はYoutube製作なので全編が無料公開されています。
    Ascension(Youtube公式:英語版)

    参考サイト
    https://www.geniionline.com/2022/03/04/david-blaine-to-have-a-show-on-disney/?fbclid=IwAR01NcXtSedLCjvHlWJIW5UAMDyKKJTgrXUjeIrcN1LiZz2kI7MQWrtq2tQ
    https://deadline.com/2022/02/disney-nat-geo-unscripted-series-from-will-smith-darren-aronofsky-james-cameron-jon-favreau-jimmy-chin-david-blaine-1234927465/amp/

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    クーポンは毎月発行いたしますので、毎月レビューが掲載されればそのたびに新しいクーポンをご利用可能!

    クーポン内容

    割引:500円
    有効期限:翌月末まで
    配布条件:弊社サイトにログインのうえ、任意の商品ページ下部にあるレビューを投稿し、掲載されること

    • ログインされない場合はメールアドレスが取得できないため、クーポンが配布できなくなります。
    • 無条件配布でないのは、スパム防止のためです。

    配布方法:レビュー掲載後、クーポンを記載したメールをお送りします。

    ご利用条件:

    • 2,500円以上お買い上げのご注文にご利用頂けます(Amazonおよび外部決済の商品、また他社制作のタイトルは除く)
    • 1クーポンにつきご利用はお一人様1回までとさせていただきます。
    • 他割引との併用不可。

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    『ナイトメア・アリー』と2パーソン・テレパシー

    こんにちは、スクリプト・マヌーヴァ映画部部長の滝沢です。

    2022年3月25日より、アカデミー賞受賞監督であるギレルモ・デル・トロの『ナイトメア・アリー』が公開されますね。すでに第94回アカデミー賞にも4部門でノミネートされています。

    私はデル・トロ監督作品では『パンズ・ラビリンス』が大好きなのですが、今回は超常現象なしのダークなドラマのようです。…が、ここで取り上げたのは主人公が2パーソン・テレパシーを演じるメンタリストだから。

    2パーソン・テレパシーとは2人組で行うメンタルマジックのアクトで、「一人が目隠しをして舞台上におり、もう一人が客席におりて観客の持っている品物を借りる。舞台上の演者がそれが何か、どのような特徴があるかの詳細を当てたり、その観客の名前や特徴などを言い当てていく」という演技が代表的です。

    下の動画は、この分野の第一人者であるエヴァソンズの演技。英語ですが、実際にどのような流れで観客の持ち物や名前などを当てていくかを見ることができます。

    ナイトメア・アリーという作品

    この映画には原作の小説があり、1947年に『悪魔の往く町』のタイトルで一度映画化されています。今回の作品は現時点で日本未公開ですので、先日『悪魔の往く町』の方を見てみました。

    視聴時は内容をまったく知らずに見たので、タイトルからして単に2パーソン・テレパシーの場面がある超常現象系ホラーかな?と思っていたら、がっつりメンタリストが主役の、不思議な現象を起こせてしまうがゆえの心の闇を描いたドラマでした。邦題をつけるのって、つくづく難しいですよね…。

    監督は「今回のはリメイクではなく、原作になるべく忠実になるよう作った」とインタビューで答えていますが、トレーラーを見る限り、新版もストーリーの大枠は旧版と同じようです。

    マジシャンが見た劇中のアクトについて

    さて、マジック業界の人間という立場から旧版の方を見てみましょう。

    冒頭から、結構しっかりパフォーマンスの様子が描かれます(最初はいわゆるQ&Aアクト)。途中で何度か2パーソン・テレパシーの場面がありますが、このような演技ができることが主人公の心の動きに直結しているので、かなりしっかり描かれています。映画のアクセントとしてのマジックというものではなく、テーマに根付いた描かれ方で、尺もかなり取ってくれています。

    ものがビジュアルな現象ではないというのもありますが、最近のマジック映画にあるようなエンターテイメント性を重視した誇張はあまり感じられず、この演技に関する文献を読んだときに感じたイメージが割とそのまま描かれている印象でした。

    手法に関しても多少触れられていますが、それも現実に即したもので、かつ一般人が想像する範囲にとどめられています。また、2パーソン・テレパシーの概要が分かったところで、主人公はリーディング(演者が知り得ない、相手の過去の情報を言い当てること)も絡めた演技をするので、その部分はきちんと謎に包まれたまま。

    リーディングを用いた心霊系の演技はその扱い方次第で極上のエンターテイメントにも悪質な宗教にもなり得るので、道徳的に非常なリスクをはらんでいます。その危険性は現代においても厳然と存在していますが、この映画ではその部分が作品のテーマに絡むだけあって、リアルに強烈に描かれていきます。

    映画は1947年に製作された白黒のものですが、テーマは今日まで問題になっている、業界が解決できていない問題です。ここをしっかり描いていることでまったく古くささを感じさせない、身につまされる非常に面白い作品でした。コリーン・グレイは美人ですし!お勧めです。

    エヴァソンズによる監修

    さて、ここからは今回の新版『ナイトメア・アリー』のお話。

    ギレルモ・デル・トロ監督はマジック・キャッスルの会員になっているくらいのマジック愛好家であり、本作でも「メンタリストが観客に対してどう振る舞うかについて、可能な限りリアルなものにしたかった」「原作に忠実であることと同時に、マジックの歴史に敬意を払うことを大切にしていた」というスタンスだったとのこと。

    そこでプロのメンタリストに監修を依頼したのですが、それが冒頭に動画で紹介した2人組メンタリスト、エヴァソンズです。

    エヴァソンズは世界中の企業パーティやセレブリティにメンタル・マジックを演じている、2パーソン・テレパシーの第一人者。ペン&テラーのペンも、Fool Us の番組で彼らを「現代において、この芸術を世界で最も巧妙に演じている」と評しています。

    古くは(という表現になってしまうことに愕然としてしまいますが)1998年のThe World’s Greatest Magic 5 にも出演しており、私などはこれで彼らを知ったクチです(個人的には同じ番組に出演していたコメディ・2パーソン・テレパシーのピーター・ゴッサマーなど大好きですが、これはまた別のお話)。

    デル・トロ監督は知人であるテラーとダレン・ブラウンに、2パーソン・テレパシーについて誰に話を聞けば良いか聞いたところ、二人ともエヴァソンズを挙げたと言います。

    エヴァソンズの一人、テッサはそのときのことを次のように語っています。

    ある日、ナイトメア・アリーのプロデューサーであるマイルス・デイルから電話がかかってきました。今ここにギレルモ・デル・トロがいて、次回作について私たちの話を聞きたい、と。私たちは目を見合わせて、いたずら電話じゃないかと思っていたのですが、本当にデル・トロ監督が電話に出たのです。なんてことでしょう!

    監修作業については次のようにインタビューで答えています。

    私たちの仕事は台本を読み(改訂されたものもその都度チェックして)、演技の場面すべてに対してどのようなメンタルマジックの演技や心理的な動き、手法があり得るかをアドバイスすることでした。最初に電話で話したときに、監督がいかにマジックを愛し、敬意を払っているかが分かりました。彼は秘密の公開には特に注意を払い、必要以上に映画で描くことはせず、ストーリーを重視しつつ最大限現実に即したものにしていきました。彼は2パーソン・テレパシーの専門家である我々を尊重し、各シーンごと、台詞の一行一行ごとに我々の意見に耳を傾けてくれたのです。
    (中略)
    また、どういう描き方だとメンタリズムの現象がウソっぽく、信憑性やリアリティを損なってしまうかという面でも、監督に助言しました。

    マジックがエンターテイメント作品に使われるときは、常にそのリアルさと手法の公開具合が注目されますが、それも以下のような状況だったようです。

    作中で公開した秘密は、古い方法を映画向けにアレンジしたものです。そのいくつかは現在でも使えるでしょうが、現代のメンタリストのやり方とは少し違います。過去にさかのぼって、その時代にそのアクトがどのように行われていたか見るのは素晴らしいことです。現代のメンタリズムは、昔からの考え方をベースにしながらも、技術や手法は大きく進歩しています。
    (中略)
    今日行われているメンタリズムは本当に信じられないほど、多くの面で過去のメンタリズムとは異なっています。しかし変わらないのは、メンタリストが鋭い観察力、心理学、直感を駆使していること。ジーナがタロットカードで占いをしたように、またスタンが生まれつき持っている洞察力と感性を駆使してリーディングしていったようにね。真のメンタリストは、目に見えない道具を道具箱の中に持っているのです。

    というわけで、3月25日公開の『ナイトメア・アリー』が非常に楽しみになってきました。

    さて2パーソン・テレパシーと言えば、スクリプト・マヌーヴァではイギリスの二人組、モーガン&ウェストによる解説を扱っています。2パーソン・テレパシーの手法は、劇中でジーナが「パフォーマーの数だけある、個人的なものだ」と語っているとおり、解説されているのも彼らが長年練り上げてきた独自のものです。これの本質的な部分を取り出し、彼らの手法と同時に、視聴者が自分たちが使えるようなコードを作り出す方法を解説しています。そうです、宣伝です。

    デコーデッド

    リーディングについては、ルーク・ジャーメイのワークショップが貴重な資料になっています。

    マスタークラス・ライブ:ルーク・ジャーメイ 前編

    参考サイト
    http://www.fordhampr.ca/oscar-winning-director-guillermo-del-toro-calls-on-the-evasons-for-advice-for-his-latest-film-nightmare-alley/
    https://www.auburnlane.com/mindreaders-share-their-magical-journey-to-nightmare-alley/

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    第7章 ちょっとしたイベントで演じる

    趣味でマジックをやっていることを周囲が知っていると「歓迎会でちょっとやってくれ」とか「簡単なショーをしてくれ」などと頼まれることがありますよね。そんなときに「ちょっと待って!」となったことはありませんか?

    確かにマジックはやってるけど、自分がやっているのはテーブルマジックだからそんな人数には見せられない…と恐々とするのです(私です)。

    ここではおよそ10人〜50名程度の観客数を想定しますが、そのような場には、これまで習得しやすかったテーブルマジックは向きません。道具が小さくて後ろの人には見えにくかったり、前の人の頭でマジシャンの手元が見えなかったり、いくら不思議なことを起こしてもその衝撃が十分伝わるのは最前列の人たちだけだったり…そんな状況が出てくるのです。

    これはそのマジックが悪いのではなく、環境が悪いのでも無く、演じようとするマジックと環境があっていないだけなのです。

    ではどうすればいいのか?
    道具が小さくて困るなら、道具が大きいものを。手元が見えなくて困るなら、テーブルを使わず手元が見えなくても良いマジックを演じればよいのです。

    例えばこんなマジックはどうでしょう?

    ペーパーボール・オーバー・ザ・ヘッド

    使うのはトイレットペーパーやティッシュペーパーだけ。それだけで客席を大きく盛り上げられる傑作マジックがあります!

    ビデオ・マインド第1巻

    道具が見えにくいなら「もともと見えないもの」を使うのはどうでしょう…?つまり観客の記憶です。このシリーズでは、会場を楽しく盛り上げながら演じられるメンタル・マジックが多数紹介されています。これだけで、いくつかのマジックどころでなく、30分のショーの一つや二つは簡単に作ることができます!

    メイキング・マジック第1巻

    大人数向けに演じるとなると大きめの道具を使いたいところですが、マジックショップで購入すると1つ購入するだけでもそれなりの値段になります。しかしご安心を!簡単な工作で観客受けが保証された傑作マジックを作り、演じることができます。

    シリアスリー・シリー

    子供向けのマジックというのは、頼まれる機会が多いのにいざ演じるとなると非常に難しいマジックです。まず子供たちに理解できる内容でなくてはなりません。さらに、騒ぐ子供たちの興味を常に引き続け、盛り上げる必要があります。そんな問題すべてを、キッズ専門マジシャンが解決します!

    少人数向けのマジックと大人数向けマジックは、異なるタネと演じ方が必要になる場合が多いもの。両方マスターして、どんなときでも観客を楽しませられるマジシャンを目指しましょう。素敵なマジックの世界へようこそ!

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    第6章 観客の頭の中を読み取る!?メンタルマジック

    カードやコインなどの道具を手に取り、仕掛けや巧妙な(もしくは華麗な)テクニックを使って不思議な現象を起こす。そんなマジシャンらしいマジックとは全く別系統のマジックがあります。例えば「観客の考えていることを読み取る」「相手がこれから何をするか予言しておく」なんて現象。それがメンタル・マジックです。

    メンタルマジックの面白い点はいくつかあります。

    1,観客の常識に直接働きかけること
    目に見える道具を使ってマジックを行うと、観客は「ああマジックなんだな(=何か仕掛けがあるのだな)」と思いますが、多くのメンタルマジックはマジックっぽさを出さず「本当に超能力があるのだろうか…?」と思わせられるマジックが多くあります。この違いは不思議を体験するという点で、ほかのマジックにはない圧倒的な力を発揮します。

    2,なんといっても不思議。
    扱うものは観客の頭の中。考えているものを当てたりするのですから、「できるわけがない!」と感じる度合いが非常に高くなります。そして指先の目に見えるテクニックはあまり使わないので、原理を知らなければどれだけマジックを知っている人でも不思議がらせてしまう力があります。

    3,指先のテクニックをあまり使わないでいい
    また器用さがそこまで求められないのも特徴。メンタルマジックはその他のマジックとは別系統のテクニックと考え方で行いますので、必ずしもここまで紹介したマジックを習得してきていなくても、始めることができます。

    70年代から80年代にTVで見られるマジックといえば、舞台で手練の技を披露するステージマジックや、大がかりな道具を使い、人を消したり浮かせたりするイリュージョンマジックが主流でした。その流れは、90年代の後半から目の前で不思議を見せるテーブルマジックに変わっていきます。その後、イギリスのダレン・ブラウンなどの台頭により、それまでの見せ方とは全く違う、観客の考えを読み取ったり決定を誘導したりするショーが脚光を浴びます。これこそが、今回ご紹介しているメンタル・マジックです。

    ヴァーバル・コントロール

    観客の決定をコントロールするテクニック「エキヴォック」。メンタル・マジック界の巨匠、マック・メイヴェンによる本書は、今でもマジシャン必修の書として読み継がれています。マックス・メイヴェンの名作マジックを解説したビデオ・マインドシリーズと併せてご覧ください。

    アンエクスペクテド

    「マジックの用意を何もしていない状態で、何か演じなければいけなくなった」そんな時に威力を発揮する強力なメンタル・マジックが多数収録されています。

    マインド・ミステリーズ

    こちらはメンタル・マジックを大人数の前で演じるのに最適なマジック集。明るく笑いのある雰囲気の中で演じられるメンタル・マジックはどれも傑作揃いです。

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    第5章 ギミックを使ってみる

    ギミックとは、仕掛けのある道具のこと。
    例えば一見普通のカードに見えるけれども、何らかの仕掛けがあるというものです。様々な道具に向けたギミックが存在しますが、ここではデックとコインを例に取ります。

    レギュラーのデックやコインのマジックにある程度なれてくると、その奥深さに驚かれると同時に、どうしても避けがたい限界も感じ始めます。使っているものは仕掛けのないものであるだけに、これだけでは絶対に実現できないこと、というものがどうしてもあるからです。

    レギュラーで行うマジックが悪いわけではありません。それだけで行える傑作マジックだって星の数ほどあります。しかし特定の場面で、こうしたいのにどうしてもできない、という場面が出てくるのです。

    例えば「観客の引いたカードを一瞬でデックの中から取り出す」マジックをしたい場合。
    現象だけならば、レギュラーデックでも十分行えます。しかし例えば常にブレイクを保持する必要があったり、特定のテクニックを行うために常に手に持っていなければならない、などの制限があったりします。演出上の理由で「テーブルにきれいにそろえて置いたデックから一瞬で抜き出したい」としても、それは(基本的には)無理なのです。

    しかしギミックデックを使えば、これが簡単に実現できます。

    左手にコインを2枚握りますが、マジシャンは「手の甲」から1枚抜き出してしまう。左手を開けると、コインは1枚になっている…。これも難しいテクニックや怪しい動きなく、「2枚握る部分を最後までしっかり確認してもらおう」と思えば、レギュラーでは不可能です。しかし、これもギミックを使えばいとも簡単に実現できてしまいます。

    プロがマジックをする場合、レギュラーを使う技術を十分にマスターしたうえでギミックを組み込んできたりするので、クリーンで本当に不思議な現象になったりするわけです。

    レギュラーのマジックにある程度慣れ、一段上の不思議を目指したい方はぜひギミックの導入を考えてみてください。マジックの世界がまた大きく広がると思います。

    スクリプト・マヌーヴァでも、ギミックの使用を前提としたマジックを解説しているものがいくつもあります。

    イージー・トゥ・マスター・カード・ミラクルズ第2巻

    確かにそこにあったはずのエースが消えて、別のところに移動している…。レギュラーでは実現不可能な不思議を生み出す傑作マジック「マクドナルド・エーセス」はギミックを使ったカードマジックの代表格です。必要なギミックカードも同梱しています。

    コインがあやなす奇譚な物語

    コインマジックをされている方でも、この人の演技は「あり得ない!」と叫んでしまうものばかり。紹介ページには実演クリップも多数ありますので、ぜひ一度見てみてください!

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    第4章 日常にある道具を使ってみる

    前回は、レギュラーデックとレギュラーコインを使ったマジックの始め方をお話しました。
    しかしコインマジックはテクニック的なハードルが高い…カードマジックはマジックマジックしている…もっと自然な感じで不思議を起こしたいんだ!と思われる方もいらっしゃると思います。

    わかる…わかりますとも。
    そうなんですよね…。前回でご紹介したマジックは、マジックとして非常に上質ですし練習も楽しいものです。そして確かにマジックをちゃんとやろうとする場合の基礎知識もばっちり入っている、おすすめと言うにふさわしいマジック群でした。

    しかしその一方で、「マジックをしている」感が強いのも確かです。
    これは全く悪いことではないのですが、上記の疑問を持たれた方はきっと、もう少し日常に馴染んだ不思議を起こしたい、という方なのだと思います。これは良い悪いではなく、求める不思議の種類の違いによるものです。

    例えばトランプを取り出して「1枚引いて」とやるよりも、借りた千円札を一万円札に変えたり。食事のときに、お箸を超能力で動かしたり。壁紙の破れを見つけてそれを剥がしたと思うと、一瞬でもとに戻したり。

    そんなマジックに重点を置いて解説しているものもありますよ!

    マネーモーフ

    借りたお札を別のお札に変化させるマジック。変化させたお札も本物で、そでをまくった状態でも演じることができます。

    ※このマジックを演じるには「ハンカチーフマジック」に付属しているギミックが必要です。ギミックを必要としない(その代わりテクニックが必要となる)レギュラーの手順は「ビル・スイッチ」に多数解説されています。


    イージー・トゥ・マスター・スレッド・ミラクルズ 第1巻

    超能力でものを動かしたり、浮かせたり…。様々な超能力現象を起こせるマジックを基礎から多数解説しています。

    ラーン・マジック第1巻 ノベルティ・マジック
    ラーン・マジック第4巻 オフィス・マジック

    日常の様々な場面で、またはオフィスで何気なくできるマジックをテーマにしたマジック集。

    不思議なものはもちろん、クスッと笑える小ネタまで様々なマジックを手軽に演じられるようになります。

    こういったマジックをいくつか覚えておけば、様々な場面で自然にマジックを演じることができるようになります。素敵なマジックの世界へようこそ!

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    第3章 レギュラーカード、レギュラーコインを使ってみる

    初心者向けのマジックをある程度演じていると、わざわざその道具を持ち歩くのがおっくうになるものです。また、解説されているマジックしかできないことにも不自由を感じてきます。

    そう思い始めたら、仕掛けのない道具を使ってのマジックを考えてもいい時期かもしれません。仕掛けのない道具のことを「レギュラー」と言います。レギュラーカードと言えば、仕掛けのないトランプの事ですね。

    仕掛けのない道具の代表格といえば、コインでしょうか。常に身につけておりマジックを演じてる「そんなのいつも持ち歩いてるの!?」と思われない点が魅力。しかし、こちらは指先のテクニックがものを言うので、習得が難しい(ものが多い)という難点もあります。

    次点でトランプ(カード)。これは普段から持ち歩かないとも思いますが、友人宅に行ったときにあなたがマジックを好きだと知っていれば「これでなんかやってよ」とそのお宅のカードを出されることもあるものです。また手先の器用さを必要としないマジックが多くある点も魅力です。

    メリット
    • 特に道具を用意していなくても、その場で演じられる。
    • 練習次第で、星の数ほどあるマジックを演じられるようになる。
    • 人が考案したマジックという知恵の深さ、すごさに触れられるようになる。
    • 練習自体が楽しい(人もいる)。
    デメリット
    • 練習が必要

    仕掛けのない(レギュラー、と言います)コインやカードのマジックを学び始めるのに最適、と思われるDVDをご紹介します。

    コインマジック

    ラーン・マジック第3巻 マネー・マジック

    コンセプトは「ゼロから始めるコイン/お札マジック」。マジック経験ゼロの方でもマスターできるマジックが収録されています。

    コインマジック辞典

    コインマジシャンが身につけておくべき様々な技法(コインの隠し方、消し方、すり替えの仕方など)30種類に加え、コインマジックに初めて触れる人でもできる実用的な12種類のマジックがわかりやすく解説されています。

    エキスパート・コインマジック・メイド・イージー 第1巻

    本格的なカードの世界への導入がマイケル・アマーのDVDなら、本格的なコインマジックへの導入はこれでしょう。世界が認める名コインマジシャン、デビッド・ロスによる初心者のための本格的なコインマジック入門編です。

    カードマジック

    ラーン・マジック第2巻 カード・マジック

    コンセプトは「ゼロから始めるカードマジック」。マジック経験ゼロの方でもマスターできるカードマジックが6作品収録されています。


    イージー・トゥ・マスター・カード・ミラクルズ 第1巻

    初心者でもプロ顔負けのマジックができるようになる!カーディシャンが最初に学んでおくべき必修名作マジックが6作品収録されています。

    ……

    上記のタイトルであれば、どれから初めても本格的なマジックの世界への入り口として間違いはないでしょう。素敵なマジックの世界へようこそ!